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デ杯代表・島袋将が得意とする回り込みフォアのダウンザライン。コツは“ボールを3球分押す”こと【プロが明かすテニス上達法】<SMASH>

スマッシュ編集部

2022.07.24

素早いステップでボールから離れるぐらい多めに回り込み、左肩は開かない(1~5コマ目)。そしてボールを長く押すのが(6コマ目)、島袋選手のダウンザラインのコツだ。写真:THE DIGEST写真部

 プロテニス選手は、高度なショットをいとも簡単に叩き込む。なぜあんなボールが打てるのか? その秘訣をプロ本人に明かしてもらうシリーズ。今回は、昨年のデビスカップで日本代表デビューを飾った島袋将選手が登場。回り込みフォアハンドのダウンザラインについて教えてくれた。

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 回り込みフォアは「相手を追い込む際に使う得意ショット」と語る島袋選手。特に最近はコースが多彩になり、決定力が上がってきたそうだ。「以前は逆クロスが多かったんですが、コロナ禍で試合がない期間にダウンザラインを練習し、自信がついてきました」とのこと。どんなことを意識しているのだろうか?

 まず、コースを問わず心掛けているのが「素早いステップ」だという。「どれだけ早く打つポジションに行けるかがカギなので、必要以上に"多めに回り込む"意識を持っています。軽くふくらみながら打点よりもっと回り込み、余裕を持ってスイングすることですね」

 一般愛好家はボールを基準に、ちょうどスイングできる所まで移動しようと考えがちだが、それでは腕が詰まりやすい。ボールを"追い越す"ぐらいの感覚で回り込むと、そこから踏み込むことも可能になる。
 
 では、ダウンザラインを狙う上でのポイントは何か?「回り込んで構えた時、左肩をなるべく開かないこと」だと島袋選手は言う。

「左肩が先に回ると、ラケットが早く出て、力が抜けやすい。左肩で壁を作るような感じで、ぎりぎりまでボールを引き込み、コースを隠すようにしています」

 そうやって振り出したら、ダウンザラインに面を向けていくが、「すぐに手をこねずに、後ろから前に面を押し付けるのがコツ」とのことだ。

「僕は"ボールを3球分押す"イメージを持っています。そこでヘッドを早く返すと、サイドアウトしやすくなるんです」

 ボールを引っ張り込むようにして打っている一般愛好家は多いだろう。精度を上げたいなら、ダウンザライン方向に少し長く押すように意識しよう。

【プロフィール】島袋 将/しまぶくろ しょう
1997年7月30日、岐阜県生まれ。183cm、78kg、右利き。早稲田大学在学中にインカレ優勝、ITFジャカルタM15優勝、四日市CHベスト4などの戦績を残し、2020年にプロ転向。21年3月のデビスカップでは初代表に選ばれ、望月慎太郎とのダブルスで初勝利を飾る。今季はITFツアーM25で2勝を挙げ、現在ATPランキングは自己最高の355位(22年7/18付)。有沢製作所所属。

構成●スマッシュ編集部
※『スマッシュ』2021年5月号より再編集

【PHOTO】島袋将の回り込みフォアハンドのダウンザライン『30コマの超分解写真』