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36歳のナダルが約2年7か月ぶりに1位に復活の可能性。「そのような位置にいることは幸せ」<SMASH>

中村光佑

2022.08.15

大会前の会見で1位の可能性について語ったナダル。(C)Getty Images

 現在開催中の男子テニスツアー「ウェスタン&サザン・オープン」(8月14日~21日/アメリカ・シンシナティ/ハードコート/ATP1000)で約1か月ぶりに実戦に復帰する世界3位のラファエル・ナダル(スペイン/36歳)。その彼は今大会の結果次第で2020年1月以来、約2年7か月ぶりに1位へ返り咲く可能性が出てきている。

 現在7875ポイントで1位につけるダニール・メドベージェフ(ロシア)はディフェンディングチャンピオンとして臨んだ先週のナショナル・バンク・オープンの2回戦で敗退し、8月15日に更新されるランキングで6885ポイントへと減少することが確定している。5620ポイントで3位のナダルが今年のシンシナティで優勝し、昨年大会ベスト4のメドベージェフが準々決勝に進めなかった場合、22日付のランキングではナダルが1位の座に就くことになるのだ。

 ただ当のナダルは「そのこと(1位になること)は僕にとって大きな意味がある」としつつも、「再びそんなことが起こるとは思っていなかった」と驚きを隠せない様子。さらに「ナンバーワンになるチャンスがあるかどうかは僕には関係ない」とも語り、さほど意識はしていなかったという。

 一方で「そのような位置にいることは幸せだし、もし1位になれるなら、それは非常に喜ばしいことだ」とコメント。ただ1位返り咲きよりもまずは目の前の試合に集中することが大事だと考えているようだ。
 
「しばらくして戻ってきた時には、物事が完璧にはいかないことを知る必要がある。最初から素晴らしいレベルのプレーを期待することはできない。最初の試合に勝つためには謙虚に、自分の持っているもので戦うことが必要だ。そして1試合、2試合と勝ち進めば状況は変わり、再び競争する力を感じられるようになる。マスターズでは対戦相手は最初からとても厳しい。だから高いレベルでプレーする必要があるし、そうするつもりだ」

 そんな中で心配されるのは7月のウインブルドン準々決勝で負傷した腹部の状態だ。モントリオール大会は「練習中に腹部に違和感を覚えた」という理由で開幕直前に欠場を表明した。会見でナダルは「腹部はサービスを打つたびに力を入れるから危険な場所だ。ここでプレーできるよう間に合うようにしたい」と話し、まだ状態が100%ではないことを示唆している。

 それでも17年大会以来5年ぶりにシンシナティの舞台へ戻ってこられたことを「とてもうれしい」と喜んだ36歳のレジェンドは、会見の最後に「今週はここで楽しみたい」と今大会への意気込みを示した。

 なお第2シードとして出場するナダルは初戦となる2回戦でボルナ・チョリッチ(クロアチア/157位)と予選通過者による1回戦の勝者と対戦することが決まった。フィジカルコンディションは気になるところだが、久々のツアー大会でナダルがどんなプレーを見せてくれるのか、ファンからも注目が集まっている。

文●中村光佑

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