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「大人になっても大丈夫という希望」国枝慎吾らトップアスリート4名とNECが共同プロジェクトを発足<SMASH>

スマッシュ編集部

2022.08.18

プロジェクト参加選手。左から堀米雄斗、野中生萌、国枝慎吾、中西麻耶。写真提供=NEC PR事務局

「誰もが夢を抱き挑戦できる環境づくりへ」

 これはNECが掲げている目標である。その思いに4名のトップアスリート、国枝慎吾(車いすテニス)、堀米雄斗(スケートボード)、野中生萌(スポーツクライミング)、中西麻耶(陸上競技)が賛同。共同プロジェクト「NEC +CHALLENGE PROJECT(プラスチャレンジ プロジェクト)」が発足し、8月18日に記者会見が行なわれた。

 NECといえば、30年以上にわたり、車いすテニスをサポートしてきた企業である。プロジェクトの主な活動は、4選手と触れ合えるイベントの開催となる様子。国枝・中西が参加するイベント第1弾が2022年11月12日(土)に、堀米・野中が参加するイベント第2弾が11月19日(土)に開催することが決まっている。

 このプロジェクトに参加を決めた国枝は、「9歳の時に車いす生活になって11歳から車いすテニスを始めました。車いすテニスを始めていなかったら、車いすで生活している人と触れ合える機会もありませんでした。先輩方が大人になって1人で生活していたり、自立している姿を見て、大人になっても大丈夫という希望が持てました。スポーツがそういう切っ掛けになるといいですね」と、情報を得られたり、コミュニティーができる場になればという期待があるようだ。

 38歳の国枝は、「競技で成績を残すのは普及につながりますが、実際に触れ合う機会を増やす時期だと、ちょうど思っていた」と、選手活動をしながら、社会貢献もしてきいたいとも考えている。
 
 会見では、選手から選手に質問する機会があり、23歳の堀米からベテランの国枝に、「20年ぐらいずっとトップで結果を出せる理由、気持ちを教えてください」との質問があった。

 これに対して国枝は、「『オレは最強だ!』とコート上で思うのは大事ですが、コートを離れた時に、自分自身をいかに疑えるか。『あの選手のようにもっとフォアハンドがうまくなりたい』とか、どちらかというと謙虚でいることが大事。足りない部分を発見しようという意識で生活しています」と、秘訣を教えた。

 会見の最後には、国枝の生涯ゴールデンスラム達成(全ての四大大会と五輪で優勝すること)を祝して、3選手から花束が贈呈され、笑顔で記念撮影が行なわれた。

 車いすテニス界のレジェンドとして、すでに十分すぎるほどの結果を出してきた国枝。今後は今回のプロジェクトのように、触れ合うことで経験を伝えていく機会が増えていきそうだ。

構成●スマッシュ編集部

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