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海外テニス

ベストパートナーを得たマクラクラン勉が復活の2週連続優勝! 貫いた「最後までファイトする」気持ち<SMASH>

内田暁

2022.08.25

大学時代の後輩、ゴランソン(右)とペアを組み、再浮上のきっかけをつかんだマクラクラン(左)。「モチベーションは高い」と語る。写真:内田暁

大学時代の後輩、ゴランソン(右)とペアを組み、再浮上のきっかけをつかんだマクラクラン(左)。「モチベーションは高い」と語る。写真:内田暁

 昨年夏、男子テニスツアーATP500の「シティ・オープン」を制した彼は、その1年後、ATPチャレンジャーで2大会連続の戴冠を果たした。

 シティ・オープン優勝のポイントが消えた時点で、ランキングは一時期91位に下がる。これは彼が2017年10月にトップ100入りを果たして以来、最も低い数字だった。

 それでも勉マクラクランは、「モチベーションは高かった」と断言する。理由は、「今年のフレンチオープン前から組み始めた、今のパートナー」にあると言った。

「プライベートでも仲の良い友人」だというアンドレ・ゴランソンは、バークレー大学の3年後輩で、大学時代にはダブルスを組んだ間柄。ゴランソンが、ダブルス中心にツアーを転戦し始めてからは、その成長を見守り、会場で顔を合わせれば練習や食事を共にした。プロ転向直後は苦しみながらも、地道に努力を重ね、20代半ばにしてトップ100入りした後輩の姿は、かつての自分を彷彿もさせただろう。

「いつかプロでペアを組みたい」と願っていたかつての相棒との足跡が、マクラクランがランキングをやや落としたタイミングで重なったのも、必然の縁だったかもしれない。
 
 マクラクランが語るゴランソン評は、技術面では「リターンが強い」。ただ、彼が最も頼もしく思うのは「メンタルの強さ」だという。その利点が最大限に発揮されるのが、試合終盤。競った展開での「勝負強さ」が、信頼を置く最大の根拠だ。

 それらに加え最近のゴランソンは、マクラクランの兄にしてコーチの力(リキ)と練習することで、技術もダブルスの戦術理解度も、急速に上がっているという。

「リキと練習するようになり、アンドレはサーブもボレーも、絶対に良くなっている。彼はこれまで、コーチ無しで転戦していたが、今はリキが練習も見ているので、凄く良くなったと思う」

 スポンジが水を吸うように兄の教えを吸収し、目に見える速度で成長するパートナーの存在は、マクラクランの向上心をも刺激する。ウインブルドンの初戦で敗れた後も、彼は「今はモチベーションが高い」と明言した。自身が目指す選手像は、「調子が良くない日も、最後までファイトする」こと。これもまた、「勝負強い」と敬意を向ける、後輩の影響が大きいのだろう。
 
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