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海外テニス

レーバー・カップで実戦復帰のジョコビッチ、コートを去るフェデラーに「最も美しい瞬間の一つ」と惜別の言葉<SMASH>

中村光佑

2022.09.25

盟友フェデラーが見守るなか、ジョコビッチはベレッティーニと組んだダブルスに勝利した。(C)Getty Images

盟友フェデラーが見守るなか、ジョコビッチはベレッティーニと組んだダブルスに勝利した。(C)Getty Images

 現地9月24日に行なわれた男子テニス団体戦「レーバー・カップ」(9月23日~25日/イギリス・ロンドン/ハードコート)のシングルス第3試合に、元世界ランク1位で欧州選抜のノバク・ジョコビッチ(セルビア/現7位)が登場。世界選抜のフランシス・ティアフォー(アメリカ/同19位)に6-1、6-3で快勝した。

 新型コロナウイルスのワクチン接種を完了していない35歳のジョコビッチは北米ハードシーズンの全ツアー大会に出場できず、今月初旬の全米オープンも欠場。そのため今回のレーバー・カップはグランドスラム21度目の優勝を飾った7月のウインブルドン以来約2か月半ぶりの実戦となった。

 長期間のブランクの影響が心配されたものの、この試合は終始ジョコビッチの独壇場となる。開始直後の第1ゲームをしっかりとキープしてリズムをつかみ、第3ゲームから一気に5ゲームを連取。第2セットに入ってからも勢いが衰えなかったジョコビッチは、先の全米で四大大会初のベスト4入りを果たした24歳のティアフォーに1度もブレークを許すことなく完勝した。

 前日には元世界王者のロジャー・フェデラー(スイス)が盟友のラファエル・ナダル(スペイン)とペアを組んだダブルスで現役最後の試合を終えたばかりだった。世界中のファンだけでなく現役選手からも悲しみの声が絶えない中、ジョコビッチは試合後のオンコートインタビューでフェデラーのラストダンスに言及。「テニスコートでこれまでに誰も経験したことがないであろう、最も美しい瞬間の一つだった。誰しもがそう思っているだろう」と振り返り、こう続けた。
 
「偉大なスポーツマンの一人がテニス界を去るわけだが、一方で、彼(フェデラー)が幸せそうにしている姿を見ると、彼に感謝するとともに、その場にいられたことが特権だったと感じる。自分の人生で最も美しい瞬間の一つだった。一番感動したのは、彼の子どもたちが泣きながら入ってきた時だった」

「僕はロジャーのことを理解し、彼に共感している。なぜなら、ツアーに長く留まるために必要なことをわかっているからだ。(テニスは)自分たち次第の個人競技だと思われがちだが、身近な人のサポートがなければできないものなんだ」

 久々の大会で共にテニス界を牽引してきた宿命のライバルのラストマッチに立ち会えた感動からか、つい長々と話してしまったジョコビッチ。最後は冗談交じりに「ごめんね、しばらくツアーから離れていたから、この瞬間は特別なんだ」とコメントした。

 なおジョコビッチはこの日最後の試合となったダブルスにもマテオ・ベレッティーニ(イタリア)とのペアで出場。アレックス・デミノー/ジャック・ソック(オーストラリア/アメリカ)に7-5、6-2のストレートで勝利した。

文●中村光佑

【PHOTO】ジョコビッチにフェデラーも! なかなか見られないトッププロの練習の様子
 
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