海外テニス

「右手首の痛みに悩まされていた」久々の試合で敗北を喫したジョコビッチ。要因はサーフェスか<SMASH>

中村光佑

2022.09.27

レーバー・カップ3日目のシングルスでオジェ-アリアシムにストレートで敗れたジョコビッチ。(C)Getty Images

 男子テニス元世界王者のノバク・ジョコビッチ(セルビア/現世界ランク7位)が先週出場した「レーバー・カップ」(イギリス・ロンドン/ハードコート/男子団体戦)の大会閉幕後に出席した記者会見で、右手首に不安を抱えていることを明かした。

 宿命のライバルであるロジャー・フェデラー(スイス)の現役最後の大会として世界中のファンから注目を集めた今年のレーバー・カップ。新型コロナウイルスのワクチン未接種により今月初旬の全米オープンを含めた北米ハードシーズンの全大会欠場を余儀なくされたジョコビッチにとっては、四大大会21勝目を飾った7月のウインブルドン以来約2か月半ぶりとなる実戦復帰の舞台となった。

 それでも大会2日目の現地9月24日に実施されたシングルスでは先の全米でグランドスラム初の4強入りを果たした世界選抜のフランシス・ティアフォー(アメリカ/19位)にストレートで快勝。長期間のブランクの影響は全くなかったかのように見えた。

 ところが大会最終日のシングルスでは一転、得意のストローク戦で精彩を欠き、22歳のフェリックス・オジェ-アリアシム(カナダ/13位)にストレートで金星を献上。実はこの試合の開始直前にジョコビッチが入念に右手首のストレッチを行なう姿が中継映像で確認され、プレー中もしきりに同箇所を気にする仕草を見せていたのだ。
 
 これを踏まえてジョコビッチは会見で「正直ここ4、5日間は右手首の痛みに悩まされていた。なんとかコントロールしていたんだけどね。自分のプレーのレベルは心配していないけど、手首に関してはちょっと気がかりだ」と告白した。

 痛みの原因については「O2アリーナのコートは球足が遅くて、手首の動きとスピードが必要になるからプレーするうちに痛みが出てしまったかもしれない。3か月ほど試合にも出ていなかったしね」と分析。「今日も簡単じゃなかった」とも話し、オジェ-アリアシムとの試合中にも手首に違和感を抱いていたようだ。

 そんな中で今週行なわれている男子テニスツアー「テルアビブ・ウォータージェン・オープン」(9月26日~10月2日/イスラエル・テルアビブ/ハードコート/ATP250)に第1シードで出場予定のジョコビッチ。会見の最後には「テルアビブの初戦(2回戦)に間に合うように、トレーナーと一緒にケアしようと思っている」とのコメントを残した。

 抜群の身体の柔軟性を持つことで知られるジョコビッチは負傷による長期離脱が非常に少ないプレーヤーの1人だ。それだけに今回の手首のケガが大事に至っていないことを祈りたい。

構成●スマッシュ編集部

【連続写真】ジョコビッチのオープンスタンスで打つ守備&攻撃力を合わせ持つバックハンド
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【動画】ジョコビッチが右手首について説明する大会後の会見