テニスの国際大会はグランドスラムを頂点に、様々なレベルがあります。そのなかで最も低いレベルが1.5万ドルの大会で、プロの登竜門となります。現在、日本にはこのレベルの女子の大会がありません。
ずいぶん前になりますが、日本テニス協会が大会を整理した時がありました。その際に新設する1.5万ドルの大会はハードコートでなくてはいけないというルールができたのですが、当時あった既存の大会がなぜなくなったのか、理由はわかりません。
現場で育成をしている(神尾)米ちゃんや(中村)藍子ちゃんと話をしていると、1.5万ドルの大会の必要性を感じていると言っています。1.5万ドルの大会ならポイントがなくても出場できるチャンスもありますが、上の大会にはポイントがないと出場できる可能性はかなり低くなります。つまり、ジュニアがシニア大会に挑戦したい時に、日本で出場できる場がなく、海外に行くしか方法がないのです。
それを打開するために、JWT50(Japan Women‘s Tennis Top50 Club/日本人で世界ランク50位以内に入った選手が次世代にその経験を還元するために設立された団体)で、1.5万ドル大会開催の実現に向けて動いています。目標は同会場で連続3大会!
まだ決まったわけではありませんし、課題も残っています。でも私たちが動かなくてはという危機感を持っています。
最大の課題は、資金でしょう。ここで提案したいのが、スポンサー目線ではなく、選手目線でサポートしてほしいということです。
1.5万ドルの大会は、言ってみればドサ回りです。選手がポイントを獲得するための大会なので、華やかなグランドスラムとは真逆に位置します。
スポンサーが露出を望むのならば、それは叶いません。利益も出ません。でも、世界で活躍する選手が、その大会から誕生する可能性があります。夢がありますよね。スポーツの力を感じられる現場になると思います。
今までのスポンサーをするメリットを考える発想を超えて、スポーツを支えていくことが、今後の日本のスポーツ界に必要だと感じています。企業でも、テニスが好きな個人でも。
例えば、私とヨネックスで行なっているジュニアプロジェクトでは、ヨネックスのラケットを使用していないジュニアもサポートしています。「それってヨネックスすごいね」と思いませんか? そういう好意的な感情が、結果的にプラスに返ってくるのではないでしょうか。
日本テニス協会は、グランドスラム開催国の協会のように、資金が潤沢にあるわけではありません。協会が1.5万ドルの大会新設に資金を出せない以上、熱い想いを持った人たちのサポートで、ジュニアの夢を応援してほしいと思います。
文●伊達公子
撮影協力/株式会社SIXINCH.ジャパン
【PHOTO】「リポビタン Presents伊達公子×YONEX PROJECT ~Go for the GRAND SLAM~」ジュニアたちが成長するキャンプの様子
ずいぶん前になりますが、日本テニス協会が大会を整理した時がありました。その際に新設する1.5万ドルの大会はハードコートでなくてはいけないというルールができたのですが、当時あった既存の大会がなぜなくなったのか、理由はわかりません。
現場で育成をしている(神尾)米ちゃんや(中村)藍子ちゃんと話をしていると、1.5万ドルの大会の必要性を感じていると言っています。1.5万ドルの大会ならポイントがなくても出場できるチャンスもありますが、上の大会にはポイントがないと出場できる可能性はかなり低くなります。つまり、ジュニアがシニア大会に挑戦したい時に、日本で出場できる場がなく、海外に行くしか方法がないのです。
それを打開するために、JWT50(Japan Women‘s Tennis Top50 Club/日本人で世界ランク50位以内に入った選手が次世代にその経験を還元するために設立された団体)で、1.5万ドル大会開催の実現に向けて動いています。目標は同会場で連続3大会!
まだ決まったわけではありませんし、課題も残っています。でも私たちが動かなくてはという危機感を持っています。
最大の課題は、資金でしょう。ここで提案したいのが、スポンサー目線ではなく、選手目線でサポートしてほしいということです。
1.5万ドルの大会は、言ってみればドサ回りです。選手がポイントを獲得するための大会なので、華やかなグランドスラムとは真逆に位置します。
スポンサーが露出を望むのならば、それは叶いません。利益も出ません。でも、世界で活躍する選手が、その大会から誕生する可能性があります。夢がありますよね。スポーツの力を感じられる現場になると思います。
今までのスポンサーをするメリットを考える発想を超えて、スポーツを支えていくことが、今後の日本のスポーツ界に必要だと感じています。企業でも、テニスが好きな個人でも。
例えば、私とヨネックスで行なっているジュニアプロジェクトでは、ヨネックスのラケットを使用していないジュニアもサポートしています。「それってヨネックスすごいね」と思いませんか? そういう好意的な感情が、結果的にプラスに返ってくるのではないでしょうか。
日本テニス協会は、グランドスラム開催国の協会のように、資金が潤沢にあるわけではありません。協会が1.5万ドルの大会新設に資金を出せない以上、熱い想いを持った人たちのサポートで、ジュニアの夢を応援してほしいと思います。
文●伊達公子
撮影協力/株式会社SIXINCH.ジャパン
【PHOTO】「リポビタン Presents伊達公子×YONEX PROJECT ~Go for the GRAND SLAM~」ジュニアたちが成長するキャンプの様子