男子テニスのノバク・ジョコビッチ(セルビア/世界ランキング7位)は、来年開催される全豪オープン(1月16日~29日/オーストラリア・メルボルン)に果たして出場することができるのか。ここにきて元王者の動向に注目が集まっている。
今年1月の全豪では、新型コロナウイルスのワクチン接種免除を巡る騒動の末に国外退去となり、4連覇のかかっていた同大会の欠場を余儀なくされたジョコビッチ。さらにこの影響で「2025年までオーストラリアへの入国禁止」という厳しい判断も下された。
だが、ここにきて彼を取り巻く環境に変化が生じてきた。オーストラリア政府が今年7月、同国へ入国する際の「新型コロナのワクチン接種要件」を廃止したからである。また、英紙『Dily Mail』によれば、5月に誕生した新政権のアンソニー・アルバニージ首相は大のテニスファンで、「ジョコビッチの入国禁止措置の撤廃」に向けて動いているとも伝えられている。
全豪の大会ディレクターを務めるクレイグ・タイリー氏は、12日に行なわれたメディア対応で「これはジョコビッチと連邦政府の間で解決する問題であり、結論が出れば我々はいかなる指示にも従う」とし、「この件は大会側がロビー活動を行なえるような問題ではなく、あくまでも両者の問題。その結果次第で全豪に彼を迎え入れられることになる」と語った。
ジョコビッチにとって全豪オープンは過去9度優勝している相性のいい大会。来年再びタイトルを獲得できれば、グランドスラム(四大大会)通算22勝となり、ラファエル・ナダル(スペイン/同2位)が保持する最多記録に並ぶ。セルビアの英雄にとってはまさに明るい光が差してきたといえるだろう。
一方で、こうした状況を好ましく思っていない豪政府の重鎮もいる。元内務大臣カレン・アンドリュース氏だ。同氏は世界的なスター選手だからといって、例外的な措置を取るべきではないと考えている。
地元メディア『ABCラジオメルボルン』に出演したアンドリュース氏は「ノバク・ジョコビッチが何百万ドルも稼いでいる高名なテニスプレーヤーという理由だけで入国を許可されたら、今まで正しいことをしてきたオーストラリアの人々の顔に泥を塗ることになる」とコメント。例外を認めるべきではないと私見を述べている。
来年の全豪オープンでは「ロシア」と「ベラルーシ」の選手であっても、国旗の掲載などは認められないものの、ビザが取得できれば大会への出場が可能となった。だが、ジョコビッチに関しては周囲の状況は改善されつつも、すんなりと「入国許可=全豪出場」となりそうにはない。2022年シーズンは出場大会の制限を受けながらもウインブルドンで優勝するなど強さを見せつけたジョコビッチなだけに、今後の展開から目が離せない。
構成●スマッシュ編集部
【PHOTO】ウインブルドン2022で活躍したジョコビッチら男子選手の厳選写真
今年1月の全豪では、新型コロナウイルスのワクチン接種免除を巡る騒動の末に国外退去となり、4連覇のかかっていた同大会の欠場を余儀なくされたジョコビッチ。さらにこの影響で「2025年までオーストラリアへの入国禁止」という厳しい判断も下された。
だが、ここにきて彼を取り巻く環境に変化が生じてきた。オーストラリア政府が今年7月、同国へ入国する際の「新型コロナのワクチン接種要件」を廃止したからである。また、英紙『Dily Mail』によれば、5月に誕生した新政権のアンソニー・アルバニージ首相は大のテニスファンで、「ジョコビッチの入国禁止措置の撤廃」に向けて動いているとも伝えられている。
全豪の大会ディレクターを務めるクレイグ・タイリー氏は、12日に行なわれたメディア対応で「これはジョコビッチと連邦政府の間で解決する問題であり、結論が出れば我々はいかなる指示にも従う」とし、「この件は大会側がロビー活動を行なえるような問題ではなく、あくまでも両者の問題。その結果次第で全豪に彼を迎え入れられることになる」と語った。
ジョコビッチにとって全豪オープンは過去9度優勝している相性のいい大会。来年再びタイトルを獲得できれば、グランドスラム(四大大会)通算22勝となり、ラファエル・ナダル(スペイン/同2位)が保持する最多記録に並ぶ。セルビアの英雄にとってはまさに明るい光が差してきたといえるだろう。
一方で、こうした状況を好ましく思っていない豪政府の重鎮もいる。元内務大臣カレン・アンドリュース氏だ。同氏は世界的なスター選手だからといって、例外的な措置を取るべきではないと考えている。
地元メディア『ABCラジオメルボルン』に出演したアンドリュース氏は「ノバク・ジョコビッチが何百万ドルも稼いでいる高名なテニスプレーヤーという理由だけで入国を許可されたら、今まで正しいことをしてきたオーストラリアの人々の顔に泥を塗ることになる」とコメント。例外を認めるべきではないと私見を述べている。
来年の全豪オープンでは「ロシア」と「ベラルーシ」の選手であっても、国旗の掲載などは認められないものの、ビザが取得できれば大会への出場が可能となった。だが、ジョコビッチに関しては周囲の状況は改善されつつも、すんなりと「入国許可=全豪出場」となりそうにはない。2022年シーズンは出場大会の制限を受けながらもウインブルドンで優勝するなど強さを見せつけたジョコビッチなだけに、今後の展開から目が離せない。
構成●スマッシュ編集部
【PHOTO】ウインブルドン2022で活躍したジョコビッチら男子選手の厳選写真