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全日本テニス選手権、女子は注目のホープ対決を制した17歳の石井さやかが2回戦へ!<SMASH>

渡辺隆康(スマッシュ編集部)

2022.10.22

初戦を突破した17歳の石井さやか(左)とプロ2年目のリュー理沙マリー(右)。写真:滝川敏之

 テニスの日本チャンピオンを決める「大正製薬リポビタン 全日本テニス選手権97th」が10月22日に開幕した。昨年はブルボンビーンズドーム(兵庫)で行なわれたが、有明コロシアムおよび有明インドアコート(東京)に会場を戻し、3年ぶりに有観客で開催。初日は男女シングルス1回戦のうち10試合ずつが行なわれた。

 女子ではジュニア年代から3人が初日に登場し、今年の全日本ジュニア準優勝の田邑来未は大学生の西本聖良に敗退。残る2人は共に17歳の石井さやかと松田鈴子で、いきなり直接当たるドローとなった。

 サウスポーからコーナーに鋭いボールを打ち込む松田に対し、石井はジュニア離れした破壊力のある強打とペースを変えるスピンをうまく組み合わせ、第1セットを6-3で先取。「同い年のライバルとの試合なのですごく緊張した」という石井だが、競り合いとなった第2セットも「最後は自分から相手を振り回して攻めて行けた」と振り返る通り、要所を押さえて6-4で取り切った。

 11月のビリー・ジーン・キング・カップでは日本代表に選ばれ、期待を一身に集める石井。現在、アメリカのIMGアカデミーで腕を磨いているが「全日本は日本のトップも出場しているし、そこで自分がどのくらい戦えるか、チャレンジャーの気持ち」で今大会に臨んでいるという。結果がどう出るか楽しみだ。
 
 他の注目選手では、アメリカのオクラホマ州立大学を卒業し、昨年プロ転向したリュー理沙マリーが、重田夢亜に逆転勝ちして2回戦へ。高校生だった2015年に続き、昨年、今年と3回目の出場だが「全日本は自分の成長を感じられる大会。高校の頃と見える景色も違う」と、今大会を1つの指標にしている。

 米国留学で「1人で試合を回れる逞しさが身に付いた。コーチがいなくても自分のテニスをしっかり確立して管理できるようになった」と成果を語るリュー。「去年はチャレンジャーだったが、今年は結果を残さないといけない」と上位進出を心に期している。

◆女子シングルス1回戦の結果(10月22日)

山口芽生(フリー) 7-6(5) 7-6(5) 清水映里(東通産業)
今田穂(慶應義塾大学)[WC] 6-4 6-1 中村天音(関西大学)[WC]
倉持美穂(マサスポーツシステム) 3-6 7-6(6) 6-0 力石優衣(フランチャイズビジネスインキュベーション)
照井妃奈(筑波大学)[LL] 6-2 6-3 上田らむ(ノア・インドアステージ)
リュー理沙マリー(フリー) 4-6 6-3 6-2 重田夢亜(フリー)[Q]
西本聖良(姫路大学)[Q] 6-3 6-1 田邑来未(城南学園)[Q]
渡邉優夢(早稲田大学)[WC] 6-2 7-5 長谷川愛依(EMシステムズ)[Q]
石井さやか(HSS)[WC] 6-3 6-4 松田鈴子(ノア・テニスアカデミー神戸垂水)[Q]
神鳥舞(早稲田大学)[WC] 6-3 7-6(3) 山口藍(フリー)[Q]
川岸七菜(フリー) 6-4 6-1 勝見幸璃(フリー)[Q]

※[Q]は予選勝者、[WC]はワイルドカード、[LL]はラッキールーザー

取材・文●渡辺隆康(スマッシュ編集部)

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