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全日本テニス選手権、今大会で引退の仁木拓人がシングルス終戦も「いい部分が出せて清々しい気持ち」<SMASH>

スマッシュ編集部

2022.10.26

今大会を最後に現役から退く仁木拓人のシングルス戦に終止符が打たれた。残るは柚木 武と組むダブルスのみとなった。写真:田中研治(THE DIGEST 写真部)

 テニスの日本チャンピオンを決める「大正製薬リポビタン 全日本テニス選手権97th」(10月22日~30日)が、有明コロシアムおよび有明インドアコート(東京)にて3年ぶりに有観客で開催。大会5日目となる10月26日は、男女シングルス3回戦のうち各々8試合が実施された。

 男子では、今大会を最後に現役から退くことを表明している仁木拓人と添田豪の2選手が登場。会場を沸かせた。

 仁木の対戦相手は関口周一。ともに同時期にプロになり長きにわたりツアーを周ってきたという2人の戦いは、立ち上がりから仁木が高精度のサービスとストロークを駆使して3ゲーム連取するなど好発進。その勢いのまま危なげない内容で第1セットをものにする。

 だが、関口に焦りはなかった。体力的に仁木のほうがキツイだろうと考えた関口は「3セットを通して戦う」消耗戦を想定。ラリー戦でも粘り強いプレーで仁木のミスを誘い、序盤乱れがちだったファーストサービスも安定感がアップ。第2セットを思惑どおり奪い返す。

 迎えたファイナルセット。徐々にショットの精度を落とした仁木は、第3ゲームでブレークを許すと、続く第4ゲームでは逆に3度のブレークチャンスを生かせず。苦しい中でも「最後まで全力を出し切る」と懸命に戦い続けたが、関口の背中に追いつくことは叶わなかった。

 現役最後のシングルスを終えた仁木はそれでも記者会見で「お互いに良い部分が出せた。今は清々しい気持ちです」とキッパリ。残されたダブルスの戦いに向けて「気持ちを切り替えて優勝を目指します」と照準を合わせた。
 
 一方、仁木同様に今大会限りで現役を退く第2シードの添田豪は、注目ジュニアの原﨑朝陽と対戦。「昨日よりも落ち着いてプレーできた」という添田は、多彩な配球で原﨑にペースを与えず、ストレートで勝利を手にした。次なる準々決勝では、伊藤竜馬との対戦が決まっている。

◆男子シングルス3回戦の結果(10月26日)

関口周一(Team REC)④ 3-6 6-3 6-4 仁木拓人(三菱電機)[WC] 
添田豪(GODAI)② 6-2 6-4 原﨑朝陽(ノア・テニスアカデミー神戸垂水)[WC] 
片山翔(伊予銀行)⑧ 6-1 6-2 山﨑純平(日清紡ホールディングス )⑨ 
白石光(早稲田大学)⑩ 6-3 6-3 望月勇希(エキスパートパワーシズオカ)⑤
藤原智也(慶應義塾大学)[Q] 3-6 7-5 7-5 市川泰誠(ノア・インドアステージ)
川上倫平(橋本総業ホールディングス)⑦ 6-2 7-5 羽澤慎治(JCRファーマ)⑪
今井慎太郎(イカイ)① 7-6(4) 6-4 楠原悠介(伊予銀行)
伊藤竜馬(橋本総業ホールディングス)⑫ 6-4 6-3田沼諒太(橋本総業ホールディングス)⑥

※丸数字はシード、[Q]は予選勝者、[WC]はワイルドカード、[LL]はラッキールーザー 

取材・文●小松崎弘(スマッシュ編集部)

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