専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
国内テニス

全日本テニス選手権、第1シードの坂詰姫野が完勝で決勝へ。小堀桃子と初優勝を懸けて対戦<SMASH>

渡辺隆康(スマッシュ編集部)

2022.10.28

女子シングルス決勝に進んだ坂詰姫野(左)と小堀桃子(右)。共に初優勝を懸けて激突する。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

女子シングルス決勝に進んだ坂詰姫野(左)と小堀桃子(右)。共に初優勝を懸けて激突する。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

 テニスの日本チャンピオンを決める「大正製薬リポビタン 全日本テニス選手権97th」(10月22日~30日/有明コロシアムおよび有明インドアコート)。10月28日には女子シングルス準決勝、男子シングルス準々決勝などが行なわれた。

 女子準決勝にはまず第1シードの坂詰姫野が登場。18歳のホープ、伊藤あおいの挑戦を6-2、6-0で退け、初の決勝に駒を進めた。

 伊藤はスライスやドロップショット、ムーンボールなどで相手を揺さぶり、バックのダウンザラインで決めるといった変幻自在のテニスが持ち味。しかしこの日は坂詰がうまく伊藤の“技”を封じて圧勝した。

「今日は意図的にあまりコースチェンジせずプレーした。(伊藤は)バックのエースが多いので、基本的にフォアを狙った」と坂詰。伊藤のフォアはスライスなどタッチ系に優れる反面、一発の威力には欠ける。坂詰はそこを冷静に突いて、フォア側のコーナーに鋭いボールを打ち込み、ラリーを支配した。

 そういったクレバーな組み立てに加え、リターンでは積極的に叩いてウイナーを量産するなど、持ち前の強打を生かした攻撃も披露。臨機応変なポイントの取り方は、坂詰が海外遠征で培ったという「相手のボールを見極める能力」を裏付けるものだった。
 
「自分がどう攻めて、どう展開していくか、ずっとやろうとしてずっとできなかった。(遠征で)重いボールに対応できるようになり、色んなショットをどう使えばいいか、考えずに自然にできるようになった」

 坂詰は今年5月から今月まで北米遠征を続け、カナダのグランビーではWTAツアーで初めての本戦入りを果たしている。そこで得た収穫が、この全日本でも生きているようだ。

 伊藤を下した坂詰は、「ここまでいい形でプレーできている。自信を持って、優勝目指して勝ちに行きたい」と明日の決勝に目を向けた。

 もう一方の準決勝は、第5シードの小堀桃子と、大学生でただ1人勝ち残っていた第8シードの佐藤南帆が対戦した。

 佐藤のスピードボールを早いタイミングでさばいた小堀が第1セットを先取すると、第2セットは佐藤がムーンボールやスライスを交えて小堀のリズムを崩して取り返す互角の展開。最後はミスが増えた佐藤を小堀が突き放し、激戦を制した。小堀も初の決勝進出だ。

◆女子シングルス準決勝の結果(10月28日)

坂詰姫野(橋本総業ホールディングス)① 6-2 6-0 伊藤あおい(サリュートテニス専門学院)⑮
小堀桃子(橋本総業ホールディングス)⑤ 6-3 3-6 6-3 佐藤南帆(慶應義塾大学)⑧
※丸数字はシード

取材・文●渡辺隆康(スマッシュ編集部)

【PHOTO】第97回全日本テニス選手権、奮闘する選手たちの厳選写真 vol.2
 

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号