海外テニス

全豪出場をほぼ確保した元世界3位のティームが今季終了を宣言「来シーズンに向けた準備に集中する」<SMASH>

中村光佑

2022.10.30

来週のランキングで100位近くまで上がることになったティームは、パリ大会の予選ワイルドカードを返上し、来季への準備に入ることを決めた。(C)Getty Images

 間もなく開幕する男子テニスツアー「ロレックス・パリ・マスターズ」(10月31日~11月6日/フランス・パリ/インドアハードコート/ATP1000)で予選ワイルドカード(主催者推薦)を獲得していた元世界ランク3位のドミニク・ティーム(オーストリア/現113位)が、同大会の欠場を表明。同時に今シーズン終了を発表した。

 今週行なわれている母国開催の「エルステ・バンク・オープン」(10月24日~30日/オーストリア・ウィーン/インドアハードコート/ATP500)のシングルス2回戦で前世界王者のダニール・メドベージェフ(ロシア/現4位)と対戦し、3-6、3-6のストレートで敗退したティーム。今年3月にスペイン・マルベージャのチャレンジャー(下部大会)で右手首のケガから待望の復帰を果たして以降、数多くのトーナメントに出場してきた29歳の名手は上位に進出する大会も明らかに増えており、本来のプレーを取り戻していることは確かだ。

 だが1日も早い完全復活を目指して突っ走ってきたが故に、心身の疲労は限界を迎えていたようだ。メドベージェフとの2回戦後の記者会見に応じたティームは開口一番、「ここ数週間は疲れていたよ」とコメントした。
 
 一方で今回のウィーン大会の結果によりトップ100復帰も見えてきた彼は、来年1月の全豪オープン(オーストラリア・メルボルン/ハードコート/グランドスラム)の本戦ダイレクトインに「十分な位置にいると判断した」ため、「来シーズンに向けての準備に完全に集中することにした」という。

 その後改めて「(特に)7月からはたくさんプレーしてきた。だから僕はもう今シーズンを終えるんだ」と述べ、最後には「100%の状態になるように、準備に全力を注ぐつもりでいる。2023年はもっと良いスタートを切りたい。それだけが目標だ」と来季への抱負を語った。

 テニス系海外メディア『UBITENNIS』によると、ティームは中東サウジアラビアで12月初旬に行なわれるエキジビションマッチ「ディルイーヤ・テニスカップ」(ハードコート)の参加を予定している。ケガの再発に注意しながら、充実したオフシーズンを送ってもらいたいものだ。

文●中村光佑

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