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国内テニス

慶應チャレンジャー、負傷明けの綿貫陽介が3年ぶりに決勝進出!「はやる気持ちを抑えて丁寧に戦った」<SMASH>

スマッシュ編集部

2022.11.05

国内で試合をするのは約3年ぶりとなる綿貫陽介が、負傷明けにも関わらず完成度の高いテニスで決勝進出を果たした。写真:北沢勇

国内で試合をするのは約3年ぶりとなる綿貫陽介が、負傷明けにも関わらず完成度の高いテニスで決勝進出を果たした。写真:北沢勇

 男子テニスの綿貫陽介(フリー)が、3年ぶりに出場した国内開催のツアーで決勝進出を果たした。

 現在開催中のATPツアーの下部大会「横浜慶應チャレンジャー国際テニストーナメント」(10月30日~11月6日/横浜・慶應義塾大学日吉キャンパス/ハードコート/チャレンジャー)では5日、男子シングルス準決勝を実施。綿貫陽介(世界ランク227位)がニーノ・セルダルシッチ(同280位/クロアチア)を破って決勝へ駒を進めた。

 今年9月の「韓国オープン」で左足首を負傷して以降、公式戦から遠ざかっていた綿貫にとって、今回の慶應チャレンジャーは復帰戦。だが「できることは多くないので、自分の可能な範囲でプレーしようと思った」という綿貫に気負いはない。

 一球一球を丁寧に処理する綿貫は「勝負するタイミングで迷う場面もあった」ものの、得意のフォアハンドやサービスを要所で決めながら、ジリジリと相手を突き放す。そして第1セットの第11ゲームでブレークに成功すると、そのまま突き進みセットを奪った。

 第2セットは立ち上がり2-0とリードするも、そこから立て続けに4ゲームを失う苦しい展開。だが、綿貫に焦りはなかった。「どうしても色々なことをしたくなってしまうけど、はやる気持ちを抑えてとにかく丁寧にやろうと考えた」ことで離れかけていたリズムを引き戻す。

 追いついて迎えたタイブレークでは、ここが潮目とばかりにアクセルを全開。鮮やかなパッシングショットやサービスエースでポイントを重ね、相手の追撃を振り切って勝利を手にした。

「日本で久しぶりにプレーができてうれしいし、皆さんの応援がすごい力になっています」と語る綿貫。2019年11月の「神戸チャレンジャー」以来となるタイトルを目指し、明日13日に第1シードのクリストファー・オコンネル(同101位/オーストラリア)と対戦する。
 
 なお、綿貫の試合と同時進行で行なわれたもう一つの準決勝には島袋将(同331位)が登場。第1シードのオコンネルを相手に真っ向勝負の打ち合いを挑むも、大事な場面でミスを犯してポイントを決めきれず。もどかしい状況が続くなか、徐々にスコアを離され最終的にストレートで敗れた。

 またシングルス準決勝の後に行なわれたダブルス決勝では、藤原智也/今村昌倫とV・コルネ/R・ゴンザレスが対戦。試合は一進一退の攻防が展開されるなか、7―5、6―3で後者がタイトルを獲得。藤原/今村は随所に可能性を感じさせたものの、惜しくも準優勝に終わった。

◆男子シングルス準決勝結果(11月5日)
綿貫陽介(フリー)⑦ 7-5 7-6(5)ニーノ・セルダルシッチ(クロアチア)
島袋将(有沢製作所) 3-6 3-6 クリストファー・オコンネル(オーストラリア)①

◆男子ダブルス決勝
藤原智也/今村昌倫(慶応義塾大学/JCRファーマ) 5-7 3-6 V・コルネ/R・ゴンザレス(ルーマニア/フィリピン)③

※丸数字はシード

取材・文●小松崎弘(スマッシュ編集部)

【PHOTO】綿貫陽介のサービス、ハイスピードカメラによる『30コマの超分解写真』
 

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