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故障明けのナダルが改めて現役でのプレーに意欲「身体が許す限りはテニスを続けていく」<SMASH>

中村光佑

2022.11.11

今季を振り返り、ツアー最終戦への意気込みを語ったナダル。(C)Getty images

 間もなく開幕する男子テニスシーズン最終戦「ATPファイナルズ」(11月13日~20日/イタリア・トリノ/ハードコート)に出場する元世界王者のラファエル・ナダル(スペイン/現世界ランク2位)が、ブラジルのスポーツメディア『ge』のインタビューに登場。そのなかで、この先もまだまだ現役でプレーを続ける強い意志を示した。

 ほぼ同世代ながらも若手に引けを取らない強さを見せ続けるノバク・ジョコビッチ(セルビア/35歳/現8位)、今年9月に現役を引退した盟友のロジャー・フェデラー(スイス/41歳/元1位)と共に男子テニス界の「ビッグ3」として世界のトップをひた走ってきた36歳のナダル。今年6月の全仏オープンでは史上最多となる22度目のグランドスラム優勝を成し遂げるなど、その勢いは衰えることを知らない。

 その一方で、長きにわたる輝かしいキャリアを通じて度重なるケガにも見舞われ、とりわけ今季は、フィジカルの問題に悩まされることが非常に多かった。そんな中でも尽きることのないテニスへの愛情が自身を支えてくれているという。「テニスをしていて幸せだ」と述べたナダルはこう続けた。

「テニスへの愛と情熱はまだ持っている。身体が言うことを聞く限りは、プロテニスプレーヤーとしての日々を楽しみたい。それができなくなったら、他にやりたいことを考えるときが来るだろう。でも、今はまだテニスに対して満足感と情熱を抱いている」
 
 その後、ナダルは数々の試練を乗り越えてきた2022年シーズンを振り返り、充実感に満ちた表情で以下のようにコメントした。

「今年は全豪と全仏で優勝し、エキサイティングな瞬間を経験した。とてもいい年だった。同時に体の不調もあって難しい年でもあったけど、忘れられないシーズンになったと思う。大会を取り巻くすべての問題を乗り越えたことを踏まえれば、全仏で22度目のグランドスラムタイトルを獲得したことは、僕にとっては忘れられない瞬間となった」

 20年までイギリス・ロンドンで行なわれていた最終戦は、昨年からトリノに舞台を移したが、昨季のナダルは慢性的に抱えている左足のケガが悪化したことで、8月にシーズンを終了したため、出場は叶わなかった。

 初めてとなるトリノでのファイナルズでプレーできることについては「また新しい経験になるから、とてもうれしい」としたうえで、「スタジアムやファンの皆さんにお会いできるのを楽しみにしている。いつも通りベストを尽くしたい」と意気込みを明かした。

 年間獲得ポイントで上位8人のみが出場できる最終戦では、4名ずつがグリーングループとレッドグループに分かれて行なわれるラウンドロビン(グループリーグ)を戦い、上位2名ずつが決勝ラウンド(準決勝)へと進出する。

 現地11月10日にラウンドロビンの組み合わせが発表され、ファイナルズ初優勝と逆転での年間1位を狙うナダルは、左脇腹のケガで欠場を表明した同郷の世界王者カルロス・アルカラスに代わって出場するテイラー・フリッツ(アメリカ/9位)、フェリックス・オジェ-アリアシム(カナダ/6位)、キャスパー・ルード(ノルウェー/4位)と共にグリーングループに入ることとなった。

文●中村光佑

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