多くのアマチュアは自分自身で判定を下す「セルフジャッジ」でテニスの試合をしています。「自分で判定するなら簡単」と思う方もいるかもしれませんが、それは大間違い。なぜなら、いい加減な判定はトラブルの原因にもなるからです。。
そうしたことを未然に防いで試合を楽しむには、とにかくルールに詳しくなることが大切です。テニス専門誌「スマッシュ」では、元プロ選手で現在公認審判員も務める岡川恵美子氏にケース別でルールについて、わかりやすく解説してもらいました。
今回は「試合中に鼻血が出てきた場合」の対処法です。空気が乾燥する冬場は鼻血が出やすい季節ですが、血管が広がる夏場も鼻血によるトラブルは少なくありません。では、プレー中に鼻血が出てきた場合、試合を止めることができるのでしょうか…。
結論から言えば「メディカルタイムアウト(MTO=身体に不調が起きた際の治療)」をとって試合を一時亭に中断することができます。MTOには「出血」に関するルールがあり、最長5分間まで試合を中断できます。なので試合中に鼻血が出たら、ロービングアンパイアを呼ぶかレフェリーに来てもらい、事情を説明してメディカルタイムアウトを要求して処置をしてください。
MTOは通常3分間ですが、出血の場合は最大5分間まで認められます。これは「5分程度あれば止血できるだろう」という考えに基づいています。5分を過ぎても出血が続くようであれば、「体調が悪い」と考え、プレーを止めるべきとレフェリーが判断することになります。
アンパイアやレフェリーがいない試合では、当事者同士の話し合いになります。そのため「鼻血が出てきたので5分くらい様子を見させてください」と相手に伝え、患部を冷やすなり、日陰に行くなりします、
それでも鼻血が止まらなければ「今日はやめます」といって試合を終わらせることです。5分間を過ぎても治療を続けたり休んだりした場合は、「ゲームの遅延」となり、コードバイオレーションが科せられます。
子どもなどは「もう止まるかな」と考え、鼻の穴にティッシュを詰めてプレーを続けたりしますが、これはあくまでも「もう止まる」という判断に基づくもので、「鼻血が止まりそうにない」状態で無理やりプレーするのはダメです。
よく観察すれば、その鼻血がすぐに止まりそうかどうかわかるはずです。あくまでも“体調最優先”で判断することが大切です。
解説●岡川恵美子
17歳で全日本選手権を制覇して日本初の高校生プロとなる。グランドスラムでは全豪オープン3回戦進出をはじめ全仏オープンやウインブルドンの本戦に出場。現在はベテラン大会に挑戦しながら、ITF国際審判員、JTA公認審判員も務める。
※本文と掲載している写真は関係ありません。
※『スマッシュ』2020年9月号より抜粋・再編集
【PHOTO】「その判定、ちょっと待った!」試合で見かけるトップ選手と審判の熱いやりとり
そうしたことを未然に防いで試合を楽しむには、とにかくルールに詳しくなることが大切です。テニス専門誌「スマッシュ」では、元プロ選手で現在公認審判員も務める岡川恵美子氏にケース別でルールについて、わかりやすく解説してもらいました。
今回は「試合中に鼻血が出てきた場合」の対処法です。空気が乾燥する冬場は鼻血が出やすい季節ですが、血管が広がる夏場も鼻血によるトラブルは少なくありません。では、プレー中に鼻血が出てきた場合、試合を止めることができるのでしょうか…。
結論から言えば「メディカルタイムアウト(MTO=身体に不調が起きた際の治療)」をとって試合を一時亭に中断することができます。MTOには「出血」に関するルールがあり、最長5分間まで試合を中断できます。なので試合中に鼻血が出たら、ロービングアンパイアを呼ぶかレフェリーに来てもらい、事情を説明してメディカルタイムアウトを要求して処置をしてください。
MTOは通常3分間ですが、出血の場合は最大5分間まで認められます。これは「5分程度あれば止血できるだろう」という考えに基づいています。5分を過ぎても出血が続くようであれば、「体調が悪い」と考え、プレーを止めるべきとレフェリーが判断することになります。
アンパイアやレフェリーがいない試合では、当事者同士の話し合いになります。そのため「鼻血が出てきたので5分くらい様子を見させてください」と相手に伝え、患部を冷やすなり、日陰に行くなりします、
それでも鼻血が止まらなければ「今日はやめます」といって試合を終わらせることです。5分間を過ぎても治療を続けたり休んだりした場合は、「ゲームの遅延」となり、コードバイオレーションが科せられます。
子どもなどは「もう止まるかな」と考え、鼻の穴にティッシュを詰めてプレーを続けたりしますが、これはあくまでも「もう止まる」という判断に基づくもので、「鼻血が止まりそうにない」状態で無理やりプレーするのはダメです。
よく観察すれば、その鼻血がすぐに止まりそうかどうかわかるはずです。あくまでも“体調最優先”で判断することが大切です。
解説●岡川恵美子
17歳で全日本選手権を制覇して日本初の高校生プロとなる。グランドスラムでは全豪オープン3回戦進出をはじめ全仏オープンやウインブルドンの本戦に出場。現在はベテラン大会に挑戦しながら、ITF国際審判員、JTA公認審判員も務める。
※本文と掲載している写真は関係ありません。
※『スマッシュ』2020年9月号より抜粋・再編集
【PHOTO】「その判定、ちょっと待った!」試合で見かけるトップ選手と審判の熱いやりとり