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「最高のニュースだ」ナダルがジョコビッチの豪入国禁止措置の撤回を歓迎!「ファンにとってもハッピーなこと」<SMASH>

中村光佑

2022.11.20

これまで幾度となく名勝負を繰り広げてきたナダル(左)とジョコビッチ(左)。(C)Getty Images

 現在開催中の男子テニスシーズン最終戦「Nitto ATP ファイナルズ」で、決勝ラウンド進出を逃した元世界王者のラファエル・ナダル(スペイン/現世界ランク2位)が、ラウンドロビン(グループリーグ)第3戦終了後の記者会見に出席。来年1月の全豪オープン参戦が正式に決定した元世界1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア/現8位)について言及した。

 今年1月に、新型コロナウイルス・ワクチン接種免除をめぐるオーストラリア入国騒動で国外退去と、4連覇のかかっていた全豪オープン欠場を余儀なくされたジョコビッチ。彼は同時に豪州政府から「3年間の入国禁止」も通告された。

 だが、現地11月15日には、各種海外メディアが「来年1月には入国が認められ、同月16日から29日まで開催される全豪でもプレーできる見込みだ」と大々的に報道された。

 そしてついに、先日オーストラリア内務省が公式ホームページを通じてジョコビッチに課されていた入国禁止措置の撤回を公表。現地11月17日にリリースされた公式声明文では、今回の決定に至るまでの経緯や入国ビザの再発給について、次のように説明している。

「2022年1月にジョコビッチのビザが取り消されて以来、現在オーストラリアでは新型コロナ関連の国境規制はすべて撤廃され、入国に際してワクチン接種状況の証拠を提示するというプロトコルも廃止された。ジョコビッチはその後、オーストラリアに入国するための一時的なビザを付与された」
 
 宿命のライバルの豪州入国と全豪出場が認められたことを受け、ナダルは「これは最高のニュースだ。今は世界中で新型コロナウイルスがよりコントロールされているように見えるから、当然の流れだろう。彼(ジョコビッチ)にとって幸せなことだし、大会にとってもファンにとってもハッピーなことだ。それだけだよ」と喜びのコメント。

 また、そう考える理由については「僕はいつも同じことを言っているが、最高のプレーヤーがコートにいれば、テニスはより良くなる」と話した。

 一方で、年初の豪入国問題が世界規模の混乱を招いたことについては「たとえ今年オーストラリアで起こったことが大きな事柄であったとしても、それは我々のスポーツにとっては良いことではない」としつつ、「もうそれは過去の話だ。それについて多くの物語をつくり出す必要はないと思う。今回はノバクが(オーストラリアで)再びプレーできるようになったんだ」と改めてジョコビッチの全豪参戦を歓迎した。

 なお、今回のATPファイナルズでグループリーグ2連敗を喫し、早々に予選敗退が決定したナダルは、現地11月17日に行なわれたラウンドロビン第3戦でキャスパー・ルード(ノルウェー/4位)をストレートで撃破。今季最後の試合を白星で飾った。

文●中村光佑

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