今年9月の全米オープンでの四大大会初優勝をはじめ、今季だけで4つのツアータイトルを獲得し、キャリア初の年間1位も達成した男子テニス世界王者のカルロス・アルカラス(スペイン)。19歳にしてすでに数々の輝かしい功績を残している彼は、ある選手に尊敬の念を抱いているという。
その人物とは、女子世界ランク1位のイガ・シフィオンテク(ポーランド)だ。このほど応じた中東サウジアラビアのニュースメディア『ARAB NEWS』のインタビューで、アルカラスは「彼女(シフィオンテク)の今年1年は信じられないほど素晴らしいシーズンだった」とコメント。その言葉通り、21歳の世界女王もまた、今季序盤から凄まじい勢いで勝ちを積み重ねた。
6月の全仏オープンと9月の全米オープンのグランドスラム2大会での優勝はもちろんだが、おそらくテニスファンにとって印象深い出来事と言えば、2月のカタール・オープン(ドーハ・カタール/ハードコート/WTA1000)から続いた怒涛の連勝街道だろう。
7月のウインブルドン3回戦で、アリーゼ・コルネ(フランス/大会時37位/現36位)に敗れるまでにマークした連勝記録はなんと「37」。これは女子テニスでは2000年以降で最長となる数字だ。同時に、6大会連続のツアー優勝も成し遂げたシフィオンテクは、すでに“絶対女王”との呼び声も高い。
シフィオンテクの圧倒的なパフォーマンスに感嘆しつつ、「僕も彼女のようにナンバーワンの座を失わないようにしたい」と今後の野望を語ったアルカラス。
だが、現在の男子テニスでは長らく世界のトップをひた走ってきた元世界1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア/現5位)や、前世界王者のダニール・メドベージェフ(ロシア/現7位)といった数々の強豪としのぎを削らなければならないため、「1位を維持するのはほぼ不可能なことだと思う」と冷静に先を見据えている。
また、自身の実力がまだまだ足りないと感じているのか、「今年1年を通して自分の立ち位置を頻繁に考えることが多かったなかで、まだ自分が世界1位の位置にいることが現実のものなのか信じられない」という。
そして最後に19歳の超新星は、「夢を見ているような感じだ。これはきっといつの日か認識しなければならないことなのだろう」として、プレーの質をさらに高める必要があるとほのめかした。
ちなみに、アルカラスは先月初旬に出場した男子テニスツアー「ロレックス・パリ・マスターズ」(フランス・パリ/ハードコート/ATP1000)のシングルス準々決勝で同年齢のホルガー・ルネ(デンマーク/大会時18位/現11位)と対戦した際に左わき腹を負傷し、その後の検査で全治6週間と診断された。
そのため出場権を手にしていたシーズン最終戦「Nitto ATP ファイナルズ」(イタリア・トリノ/ハードコート)は欠場を余儀なくされたが、回復に専念してきた彼は、間もなく開幕するエキジビションマッチ「ムバダラ・ワールド・テニス・チャンピオンシップ」(12月16日~18日/アラブ首長国連邦・アブダビ/ハードコート)で復帰する予定だ。果たして久々の試合でどのようなプレーを見せてくれるのか注目したい。
文●中村光佑
【PHOTO】史上最年少の1位となった19歳アルカラスの全米オープン2022優勝までの激闘の記録
その人物とは、女子世界ランク1位のイガ・シフィオンテク(ポーランド)だ。このほど応じた中東サウジアラビアのニュースメディア『ARAB NEWS』のインタビューで、アルカラスは「彼女(シフィオンテク)の今年1年は信じられないほど素晴らしいシーズンだった」とコメント。その言葉通り、21歳の世界女王もまた、今季序盤から凄まじい勢いで勝ちを積み重ねた。
6月の全仏オープンと9月の全米オープンのグランドスラム2大会での優勝はもちろんだが、おそらくテニスファンにとって印象深い出来事と言えば、2月のカタール・オープン(ドーハ・カタール/ハードコート/WTA1000)から続いた怒涛の連勝街道だろう。
7月のウインブルドン3回戦で、アリーゼ・コルネ(フランス/大会時37位/現36位)に敗れるまでにマークした連勝記録はなんと「37」。これは女子テニスでは2000年以降で最長となる数字だ。同時に、6大会連続のツアー優勝も成し遂げたシフィオンテクは、すでに“絶対女王”との呼び声も高い。
シフィオンテクの圧倒的なパフォーマンスに感嘆しつつ、「僕も彼女のようにナンバーワンの座を失わないようにしたい」と今後の野望を語ったアルカラス。
だが、現在の男子テニスでは長らく世界のトップをひた走ってきた元世界1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア/現5位)や、前世界王者のダニール・メドベージェフ(ロシア/現7位)といった数々の強豪としのぎを削らなければならないため、「1位を維持するのはほぼ不可能なことだと思う」と冷静に先を見据えている。
また、自身の実力がまだまだ足りないと感じているのか、「今年1年を通して自分の立ち位置を頻繁に考えることが多かったなかで、まだ自分が世界1位の位置にいることが現実のものなのか信じられない」という。
そして最後に19歳の超新星は、「夢を見ているような感じだ。これはきっといつの日か認識しなければならないことなのだろう」として、プレーの質をさらに高める必要があるとほのめかした。
ちなみに、アルカラスは先月初旬に出場した男子テニスツアー「ロレックス・パリ・マスターズ」(フランス・パリ/ハードコート/ATP1000)のシングルス準々決勝で同年齢のホルガー・ルネ(デンマーク/大会時18位/現11位)と対戦した際に左わき腹を負傷し、その後の検査で全治6週間と診断された。
そのため出場権を手にしていたシーズン最終戦「Nitto ATP ファイナルズ」(イタリア・トリノ/ハードコート)は欠場を余儀なくされたが、回復に専念してきた彼は、間もなく開幕するエキジビションマッチ「ムバダラ・ワールド・テニス・チャンピオンシップ」(12月16日~18日/アラブ首長国連邦・アブダビ/ハードコート)で復帰する予定だ。果たして久々の試合でどのようなプレーを見せてくれるのか注目したい。
文●中村光佑
【PHOTO】史上最年少の1位となった19歳アルカラスの全米オープン2022優勝までの激闘の記録