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海外テニス

「プレーするのは意味がない」キリオスが“後輩”のデ杯出場説得に応じず。新設の男女混合団体戦には参戦予定<SMASH>

中村光佑

2022.12.20

オーストラリアの男子テニス界を牽引するキリオス(左)とデミノー(右)。(C)Getty Images

オーストラリアの男子テニス界を牽引するキリオス(左)とデミノー(右)。(C)Getty Images

 類まれなるポテンシャルと歯に衣着せぬ言動で、テニスファンから絶大な人気を誇る男子テニス世界ランク22位のニック・キリオス(オーストラリア)。そんな彼はここ数年間、長い伝統と歴史を誇る男子国別対抗戦「デビスカップ」に出場していないことが問題視されており、オーストラリアが準優勝を収めた先月末のデ杯ファイナルズ(スペイン・マラガ/ハードコート)でもプレーすることはなかった。

 かねてからキリオスは、デビスカップを回避している理由の一つに「地元のファンが自分を受け入れてくれていない」ことを挙げている。

 さらには、「感謝の気持ちもないような国のためにプレーするのは意味がない。大金を稼いで恋人と一緒にいる方がずっと良い。もっと愛されていれば努力するかもしれないが、デ杯でプレーすることは考えもしなかった」と、母国の自身に対する扱いに苦言まで呈したこともあった。こういった発言を踏まえれば、今後も彼がデ杯に出場する可能性は低いと言えるかもしれない。

 豪大手ニュースメディア『The Age』によると、この状況を見かねた同郷の若手アレックス・デミノー(世界24位/23歳)は、“兄貴分”と慕うキリオスに、今年11月末のデ杯ファイナルズに参加するよう説得したという。
 
 だが、それに対するキリオスの回答はどこか素っ気なかったようで、「その話をしたところ、彼(キリオス)はプレーできる状態ではなかった。そういうことだ」と簡潔に述べるにとどめた。

 なお、キリオスは、来季から母国オーストラリア(シドニー・パース・ブリスベンの3都市)で新設される男女混合の国別対抗戦「ユナイテッドカップ」(2022年12月29日~23年1月8日/ハードコート)に参戦が決定しており、「とても素晴らしいイベントだと思う。女子も男子も一緒になって国を代表して戦うイベントは重要だと思うし、スペシャルなものになる」との喜びのコメントを発表している。

 今季は、7月のウインブルドンでグランドスラム初の決勝進出を果たすなど大躍進を遂げた27歳の天才が、新シーズン開幕早々どんなプレーを見せてくれるのか注目したい。

文●中村光佑

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