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「ここで戦いたいと思える魅力的なチーム作りを」女子テニス日本代表の杉山愛新監督が会見で意気込み<SMASH>

スマッシュ編集部

2022.12.24

かつては自身も日本代表として重責を担ってきた杉山愛BJK杯監督。どんなチームを作るのか注目される。写真:Getty Images(左)、Zoom画面より(右)

 2023年からテニスの日本代表チームを指揮する男子・デビスカップの添田豪新監督と、女子・ビリージーンキングカップの杉山愛新監督が、12月23日にオンライン会見を開き、現在のナショナルチームの活動状況や、来年のデ杯・BJK杯に向けての抱負などを語った。

 両監督にとって初仕事となったのは、12月5日から23日まで行なわれたナショナルチームの強化合宿だ。ナショナルメンバーを中心に、ネクストジェンチームやジュニアナショナルチームの選手たちが入れ替わりながら多数参加し、トレーニングに励んだ。

 現役を引退して13年、ナショナルの育成現場と離れた位置にいた女子の杉山監督は、今回の合宿でまず、「個々の選手とコミュニケーションを取る」ことを重視したという。「その選手のトライしていることだったり、具体的なテニスの内容だったりを、オンコートでもオフコートでも色々聞けて、充実した時間を過ごせた」と成果を語る。

 今年、日本はBJK杯アジア/オセアニア・グループ1部を1位で勝ち抜き、プレーオフに進出したものの、ウクライナに敗れた。来年も4月に同グループ1部から再スタートし、厳しいラウンドロビン予選を戦わなくてはならない。

「このオフでやってきたことを、全豪を含めてしっかり出せるかがすごく重要になってくる。そこに向けてスタッフ皆が力を合わせてサポートしていきたい」と杉山監督。「予選はシングルス2試合、ダブルス1試合を毎日戦うので、ベストメンバーで臨んでいきたい」とも言うが、チーム編成がどうなるは不透明だ。
 
 本来ならば大坂なおみが日本のエースだが、杉山監督いわく「個人ツアーでもストラグルしており、彼女自身の状態がどんなものなのか、今なかなかコンタクトが取れていない。まずは全豪でコミュニケーションが取れたら」という状況。

 大坂がチームに入るか否か、入るとしたら予選からかプレーオフからか。それによって日本の戦い方は大きく変わるだけに、明確なビジョンは立てにくいところだ。

 現在、ダブルスでは柴原瑛菜や青山修子らが上位にいる日本だが、シングルスの100位以内は42位の大坂だけで、その下に内島萌夏(107位)、日比野菜緒(139位)、土居美咲(176位)、本玉真唯(202位)、内藤祐希(210位)と続く。その中で杉山監督が特に期待をかけるのは21歳の内島だ。

「内島選手は今年飛躍の年だった。まず彼女が100位に入れば、相乗効果で内藤選手、本玉選手らにも大きな刺激になると思う。全体的に盛り上がればうれしい」

 経験豊富な日比野や土居と、若い力を併用しつつ、結果も出さなければいけない杉山監督。大坂も含めてどれだけ有力選手を集められるかがカギになる。

「個人ツアーが過酷なシーズンのなかで、スキップしたくなる時もあると思う」と選手に理解も示す杉山監督は、「ここでこのメンバー、監督、スタッフと戦いたいと思えるような魅力的なチーム作りを私たちはしていかないと」と自分たちに責務を課す。2023年、杉山新監督にかかる期待は大きい。

構成●スマッシュ編集部

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