海外テニス

入国騒動から1年、全豪出場のジョコビッチが「歓迎されることを期待しているよ」とファンに要望<SMASH>

中村光佑

2022.12.25

入国禁止が解けたジョコビッチだが、オーストラリアのファンに温かく迎えてもらえるか、胸の内には不安もある様子。(C)Getty Images

 今季から新設された男女混合のエキジビションマッチ「ワールド・テニス・リーグ」(アラブ首長国連邦・ドバイ/ハードコート)に出場した男子元世界王者のノバク・ジョコビッチ(セルビア/現世界ランク5位)が、現地12月23日に開かれた記者会見に出席。再びオーストラリアへの入国が認められたことについて言及し、現地ファンからの温かい歓迎を期待していると語った。

 今年1月に新型コロナウイルス・ワクチン接種免除をめぐるオーストラリア入国騒動で国外退去と全豪オープン欠場を余儀なくされ、同時に豪州政府から「3年間の入国禁止」を通告されたジョコビッチ。だが周知の通り11月中旬に各種海外メディアが「来年1月には入国が認められ、同月16日から29日まで開催される全豪の出場も決定的となった」と大々的に報じていた。

 その後ついにオーストラリア内務省が公式ホームページを通じて、ジョコビッチに課されていた入国禁止措置の撤回を正式に発表。先月中旬に出場したシーズン最終戦「Nitto ATP ファイナルズ」(イタリア・トリノ/ハードコート)の大会期間中に出席した記者会見でジョコビッチは「これ以上のニュースはないと思う」と喜びを語っていた。
 
 その一方で自身が豪国内で世界規模の騒動を巻き起こしてしまったことから、オーストラリアのファンが自分を受け入れてくれるかどうかを少々心配しているようだ。今回の会見では「今年の初めにはあんなことが起こってしまったが、僕がしっかりとした歓迎を受け、それが良いテニスをするのに役立つことを期待しているよ」とコメントした。

 そして全豪10度目のタイトル獲得へ向け、「僕は常に自分にベストを求めているから、(今回も)そのつもりでいく」と意欲を見せる35歳の鉄人は、相性の良いオーストラリアへの想いをこう口にした。「この数年、僕は非常に良いスタートを切ることができているから、オーストラリアでプレーするのが大好きだ」

 なお参加4チームによる総当たり戦が行なわれたワールド・テニス・リーグでグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア/男子28位)、パウラ・バドサ(スペイン/女子13位)、アリーナ・サバレンカ(ベラルーシ/女子5位)と共に「チーム・ファルコンズ」のメンバーとして出場したジョコビッチは、男子シングルスで通算1勝2敗(1敗は棄権)に終わり、チームも最下位の4位で終戦となった。

文●中村光佑

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