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海外テニス

開幕戦連敗で調子が上がらないナダルが、全豪へ向け巻き返しを誓う「改善の余地があるが僕ならできると思う」<SMASH>

中村光佑

2023.01.03

ユナイテッドカップではデミノーに初めて敗れるなど、昨季終盤から黒星が目立つナダル。とはいえ「テニスのレベルはそれほど悪くない」と語る。(C)Getty Images

ユナイテッドカップではデミノーに初めて敗れるなど、昨季終盤から黒星が目立つナダル。とはいえ「テニスのレベルはそれほど悪くない」と語る。(C)Getty Images

 昨年6月の全仏オープンで男子テニス史上最多となるグランドスラム22度目の優勝を飾るなど、36歳にして驚異の強さを見せ続ける元世界王者のラファエル・ナダル(スペイン/現世界ランク2位)。だがその彼がここにきて苦境に立たされている。

 2023年シーズンから新設された男女混合の国別対抗戦「ユナイテッドカップ」(12月29日~1月8日/オーストラリア・ブリスベン、パース、シドニー/インドアハードコート、ハードコート)にスペイン代表として出場しているナダルは、現地12月31日に行なわれたイギリスとのグループリーグ(グループD)初戦の男子シングルス第1試合でキャメロン・ノーリー(14位)と対戦し、6-3、3-6、4-6の逆転で敗戦。

 これで流れを失ったスペインは男女のシングルス1試合ずつと混合ダブルスでも敗れてイギリスに計4敗を喫し、早々に上位ラウンド進出の可能性が消滅した。

 そんななかでナダルは現地1月2日に実施されたオーストラリアとのグループリーグ第2戦で再びシングルス第1試合に登場。完全アウェーの状況下でアレックス・デミノー(24位)を相手にキレのある動きを見せて順調にポイントを奪い、幸先よく第1セットを先取した。

 そのままの勢いで第2セットでもアグレッシブな攻撃を仕掛けるも、徐々にリズムをつかんでいくデミノーの粘りのディフェンスにミスを重ねてしまう。第2ゲームからまさかの6ゲーム連取を許し、セットオールに持ち込まれる。

 勝負のファイナルセット、ナダルは第5ゲームで先にブレークを許すも、直後の第6ゲームですかさずブレークバックに成功する。だが迎えた第11ゲームでは簡単なミスを連発して痛恨のブレークを献上。2時間42分にも及ぶ激闘の末に6-3、1-6、5-7で敗れ、過去3戦全勝だったデミノーに初黒星を喫した。
 
 昨年9月の全米オープン4回戦敗退から数えると、4連敗の後1勝したものの今大会で2連敗となり、直近7試合で1勝6敗と振るわないナダル。デミノーとの試合後に出席した記者会見では「(開幕からずっと勝っていた)1年前のこの時期には、この後何が起こるか想像もつかなかったのに、今回は今日のようなことがまた起こるのではないかと複雑に思えてくる」となかなか勝ちに恵まれない状況を嘆きながらも、最後には前向きなコメントを残した。

「ここ半年から7か月はあまり公式戦に出場していなかったから、こういう日があると助かる。勝利できればより早くプロセスを進められるけど、とにかくプレーし続ける必要がある。今日はバックやフォアでの方向転換を軸に、いいレベルのテニスができた場面もあった。全てを踏まえて、自分にとって理想的なコンディションでないことはわかっている」

「あとは戦い続けて、自分のリズムをつかむだけだ。今回は理想的な形にはならなかったが、全豪(1月16日~29日)の開幕まではまだ2週間ある。非常にネガティブな状況なのかと聞かれるとそうは言い切れない。ここで2試合やれたことは助けになる。これから2、3試合は勝たないといけないけど、テニスのレベルはそれほど悪くない。あまり心配はしていない。僕にはまだまだ改善の余地があるが、僕ならできると思う」

 一方で常にケガの不安を抱えているナダルだが、フィジカルコンディションについては特に問題はないという。タイトル防衛を目指す全豪の開幕までに調子を取り戻せることを祈るばかりだ。

文●中村光佑

【連続写真】ヒジ主導でテイクバックしてパワーを生み出す、ナダルのフォアハンド
 
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