専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
海外テニス

「歓迎してくれて気分がいい」ジョコビッチが今季開幕戦で快勝。プレー内容に充実感「文句のつけようがない」<SMASH>

中村光佑

2023.01.04

オーストラリアのファンから熱烈な歓迎を受け、ホッとした表情を見せたジョコビッチ。(C)Getty Images

オーストラリアのファンから熱烈な歓迎を受け、ホッとした表情を見せたジョコビッチ。(C)Getty Images

 年明け早々に開幕した男子テニスツアー「アデレード国際1」(オーストラリア・アデレード/ハードコート/ATP250)は現地1月3日にシングルス1回戦が行なわれ、元世界王者のノバク・ジョコビッチ(セルビア/現世界ランク5位)が、センターコート第2試合に登場。コンスタン・レスティエンヌ(フランス/同65位)に6-3、6-2のストレートで快勝し、2回戦へ駒を進めた。

 新型コロナウイルス・ワクチンの接種免除をめぐる昨年1月のオーストラリア入国問題で国外退去と全豪オープンの欠場を余儀なくされ、同時に「3年間の入国禁止」を通告された35歳のジョコビッチ。豪国内の規定変更により入国禁止措置が解除された彼が約1年の時を経て、待ち望んでいた場所で最高のスタートを切った。

 前日にはバセク・ポスピシル(カナダ/シングルス98位)とのペアで出場した男子ダブルス1回戦で、2年ぶりとなるオーストラリアでの試合に臨んだものの、こちらはゴンザロ・エスコバル/トミスラブ・ブルキッチ(エクアドル/ボスニア・ヘルツェゴビナ)に6-4、3-6、[5-10]の逆転で敗退。本命のシングルスではどのようなプレーを見せてくれるのか注目が集まっていた。

 以前にはオーストラリアのファンが、自分を受け入れてくれるか不安をのぞかせていたジョコビッチだったが、緊張の面持ちでコートに足を踏み入れた彼を待ち受けていたのは、大勢の観客の温かい拍手だった。割れんばかりの大歓声にジョコビッチは手を挙げて応じながら感謝の気持ちを示した。

 両者初顔合わせとなったこの日の初戦、ジョコビッチは序盤から持ち前の正確なリターンから主導権を握り、第6ゲームでブレークに成功。1ブレークのリードを守り切って幸先よく第1セットを先取する。

 これで勢いに乗ったジョコビッチは第2セットでも第1ゲームから4ゲームを連取。以降もレスティエンヌにブレークポイントを与えることなく、1時間14分で勝利を収めた。
 
 試合後の会見で「戻ってこられてうれしいよ」とオーストラリアで再びプレーできることを大いに喜んだジョコビッチは、質の高いパフォーマンスを披露した今季初戦を満足気にこう振り返った。

「文句のつけようがない。とてもいいプレーができた。最初の6ゲームは拮抗していたし、彼(レスティエンヌ)とは対戦したことはなかった。彼はカウンターパンチャーであまりミスをしないし、トリッキーなサービスも持っている。でも僕は第1セットの3-2の場面でブレークに成功して勢いに乗ることができ、残りのゲームでも本当に良いテニスができた」

 その後ジョコビッチは、オーストラリアのファンから熱烈な歓迎を受けたことにホッとした表情を見せながら、「僕がビーチやレストランなど街のどこにいても、みんなとても歓迎してくれた。感謝しかない。そのことが僕のテニスや試合運びに明らかに反映されているから、とても気分が良いよ」とコメント。

 そして最後には「僕は集中して試合に臨みたい。それこそが僕がここにいる理由であり、その気持ちを維持できることを願っている」と次戦以降の意気込みを語った。

 なお勝利したジョコビッチは、2回戦で世界64位のカンタン・アリス(フランス)と対戦する。2週間後に開幕する全豪(1月16日~29日)での10度目のタイトル獲得へ向け、今大会で弾みをつけたいところだ。

文●中村光佑

【PHOTO】「その判定、ちょっと待った!」試合で見かけるトップ選手と審判の熱いやりとり
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号