年明け早々に開幕した男子テニスツアー「アデレード国際1」(オーストラリア・アデレード/ハードコート/ATP250)は、現地1月8日にシングルス決勝を実施。第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア/世界ランク5位)がセバスチャン・コルダ(アメリカ/同33位)を6-7(8)、7-6(3)、6-4の逆転で破り、今季初戦での優勝を飾った。
新型コロナウイルスワクチンの未接種をめぐる昨年1月のオーストラリア入国騒動では、強制送還を余儀なくされ、3年間の入国禁止も通告されたジョコビッチ。だが、同年11月には豪国内の規定変更で入国禁止措置が解除され、今大会が約2年ぶりとなるオーストラリアでの公式戦出場となった。
「自分を受け入れてくれるか不安だった」と語っていたなかで現地ファンの温かい歓迎を受けたジョコビッチは、初戦から素晴らしいパフォーマンスを見せて勝ち上がり、準決勝では前世界王者のダニール・メドベージェフ(ロシア/7位)をストレートで撃破。西岡良仁(36位)の途中棄権で準決勝を突破したコルダとの決勝へ駒を進めていた。
両者初の顔合わせとなったこの日の決勝戦、ジョコビッチはコルダの伸びのあるストロークと強烈なサービスに苦戦を強いられ、迎えた第9ゲームで痛恨のブレークを許してしまう。それでも直後の第10ゲームでブレークバックに成功し、そのままタイブレークに突入。計6本のセットポイントを凌ぐ粘りを見せるも、8-8からミニブレークを献上して1セットダウンとなる。
続く第2セットも両者一歩も譲らない拮抗した展開となったが、第12ゲームでは、ジョコビッチがマッチポイントを握られ、絶体絶命のピンチを迎える。それでもここを何とか切り抜けると、この日2度目となったタイブレークでは1-1から5ポイントを連取。コルダの追撃を振り切り、何とかセットオールへと持ち込む。
勝負のファイナルセット、持ち味の精度の高いサービスで相手に思うようなプレーをさせなかったジョコビッチが優勝まで残り1ゲームと迫った第10ゲームで値千金のブレークを奪い、3時間9分の熱戦をものにした。
この結果キャリア通算92度目となるツアータイトル獲得を果たしたジョコビッチ。ちなみにこれは宿命のライバルであるラファエル・ナダル(スペイン/2位)に並ぶ男子テニス史上4位タイの記録だ。
決勝戦後の表彰式では、ようやく戻ってこられたオーストラリアの大会で優勝できたことを大いに喜ぶとともに、会場で声援を送ってくれたファンへの感謝の言葉を口にした。
「本当に素晴らしい1週間だった。僕がここに立っていることは間違いなく贈り物のようなものだ。今日、そしてこの1週間、僕はこのトロフィーを手にするためにすべてを出し切った。この10日間ほどで、僕が受けたサポートは、人生であまり経験したことがないようなものだった」
そして最後には、惜しくも準優勝に終わったコルダへ向け、「素晴らしい試合だった。今日は、僕よりも君の方が勝利に近かったと思う」とコメント。「1、2本のショット、1、2ポイントで決着がついた。今日は残念だったね。でも、君の未来は明るいから、この調子で頑張ってね」とエールを送った。
約1週間後の開幕を控える全豪オープン(1月16日~29日)での10度目の戴冠へ、ジョコビッチにとって大きな弾みをつける結果となったのは間違いないだろう。メルボルンでも優勝トロフィーを掲げる姿が見られるか注目だ。
文●中村光佑
【PHOTO】テニス史上に残る名プレーヤー!ノバク・ジョコビッチの厳選ショットをお届け!
新型コロナウイルスワクチンの未接種をめぐる昨年1月のオーストラリア入国騒動では、強制送還を余儀なくされ、3年間の入国禁止も通告されたジョコビッチ。だが、同年11月には豪国内の規定変更で入国禁止措置が解除され、今大会が約2年ぶりとなるオーストラリアでの公式戦出場となった。
「自分を受け入れてくれるか不安だった」と語っていたなかで現地ファンの温かい歓迎を受けたジョコビッチは、初戦から素晴らしいパフォーマンスを見せて勝ち上がり、準決勝では前世界王者のダニール・メドベージェフ(ロシア/7位)をストレートで撃破。西岡良仁(36位)の途中棄権で準決勝を突破したコルダとの決勝へ駒を進めていた。
両者初の顔合わせとなったこの日の決勝戦、ジョコビッチはコルダの伸びのあるストロークと強烈なサービスに苦戦を強いられ、迎えた第9ゲームで痛恨のブレークを許してしまう。それでも直後の第10ゲームでブレークバックに成功し、そのままタイブレークに突入。計6本のセットポイントを凌ぐ粘りを見せるも、8-8からミニブレークを献上して1セットダウンとなる。
続く第2セットも両者一歩も譲らない拮抗した展開となったが、第12ゲームでは、ジョコビッチがマッチポイントを握られ、絶体絶命のピンチを迎える。それでもここを何とか切り抜けると、この日2度目となったタイブレークでは1-1から5ポイントを連取。コルダの追撃を振り切り、何とかセットオールへと持ち込む。
勝負のファイナルセット、持ち味の精度の高いサービスで相手に思うようなプレーをさせなかったジョコビッチが優勝まで残り1ゲームと迫った第10ゲームで値千金のブレークを奪い、3時間9分の熱戦をものにした。
この結果キャリア通算92度目となるツアータイトル獲得を果たしたジョコビッチ。ちなみにこれは宿命のライバルであるラファエル・ナダル(スペイン/2位)に並ぶ男子テニス史上4位タイの記録だ。
決勝戦後の表彰式では、ようやく戻ってこられたオーストラリアの大会で優勝できたことを大いに喜ぶとともに、会場で声援を送ってくれたファンへの感謝の言葉を口にした。
「本当に素晴らしい1週間だった。僕がここに立っていることは間違いなく贈り物のようなものだ。今日、そしてこの1週間、僕はこのトロフィーを手にするためにすべてを出し切った。この10日間ほどで、僕が受けたサポートは、人生であまり経験したことがないようなものだった」
そして最後には、惜しくも準優勝に終わったコルダへ向け、「素晴らしい試合だった。今日は、僕よりも君の方が勝利に近かったと思う」とコメント。「1、2本のショット、1、2ポイントで決着がついた。今日は残念だったね。でも、君の未来は明るいから、この調子で頑張ってね」とエールを送った。
約1週間後の開幕を控える全豪オープン(1月16日~29日)での10度目の戴冠へ、ジョコビッチにとって大きな弾みをつける結果となったのは間違いないだろう。メルボルンでも優勝トロフィーを掲げる姿が見られるか注目だ。
文●中村光佑
【PHOTO】テニス史上に残る名プレーヤー!ノバク・ジョコビッチの厳選ショットをお届け!