海外テニス

全豪OPの主催者が「新型コロナに感染している選手も出場可能に」と発表。地元選手は「以前の状態に戻れることをうれしく思う」<SMASH>

中村光佑

2023.01.10

開幕を直前に控える全豪オープン。ワクチン接種要件とPCR検査の義務付けも撤廃された。(C)Getty Images

 新型コロナウイルスの爆発的な感染拡大はスポーツ界に大きな影響を与え、無論テニス界も例外ではない。それでもここ最近は最高峰のグランドスラムを含め、各種ツアー大会や大会開催国が感染拡大防止プロトコルを緩和する動きが目立っている。

 そんななか、約1週間後に開幕を控える年内最初のテニス四大大会「全豪オープン」(1月16日~29日/オーストラリア・メルボルン/ハードコート)の主催側が、このほど驚きの発表を行なった。テニス系海外メディア『UBITENNIS』によると、今年の同大会では、「新型コロナを発症した選手にも試合の出場を許可する」というのだ。

 さらに、同メディアは「体調が悪い選手や新型コロナ陽性の疑いがある選手は、一定の措置を取るよう勧告されるが、強制ではない」と報じている。

 また今年の全豪では、ワクチン接種要件とPCR検査の義務付けも撤廃。これによりワクチン接種免除をめぐる昨年1月のオーストラリア入国問題で国外退去と全豪欠場を余儀なくされた元世界王者のノバク・ジョコビッチ(セルビア)も出場を許可されることとなった。
 
 同大会のトーナメントディレクターを務めるクレイグ・タイリー氏は、常に万全な感染拡大防止策を講じているとコメント。そのうえで大胆なプロトコル緩和に踏み切ったことについて以下のように説明した。

「我々は、(新型コロナに対する)現在の社会的な認識に従いたかっただけなのです。選手にもスタッフにも、体調が悪い人にはステイホームをするように通告しています。これが我々にとって正常な環境であり、クリケットと同様に、新型コロナに感染している選手も大会に出場することが可能となります」

 この発表を受け、男子世界24位のアレックス・デミノー(オーストラリア)は、豪メディア『The Age』のインタビューで「選手として、また人として、この2年間は非常に厳しい状況をくぐり抜けてきたと思う。再び選手同士が競い合い、自由に動き回り、かつてのように人生を楽しめることに、我々はみな興奮していると思う。新型コロナ以前の状態に戻れることをうれしく思う」と喜びを語っている。

文●中村光佑

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