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不振は脱した? 連覇が懸かるナダルが全豪OPに向け意欲「正直言って準備に不満はない」<SMASH>

中村光佑

2023.01.11

全豪オープンの会場で練習に励むナダル。このところ成績不振だが、仕上がりとしては「いい状態だと思う」と前向きに語った。(C)Getty Images

 間もなく開幕を迎える年内最初のテニス四大大会「全豪オープン」(1月16日~29日/オーストラリア・メルボルン/ハードコート)。同大会で連覇を狙う男子テニス元世界王者のラファエル・ナダル(スペイン/36歳/現世界ランク2位)はなかなか調子が上がらないながらも、ポジティブな姿勢を貫く心構えを見せている。

 すでに大ベテランの域に達しているにもかかわらず、今もなお第一線で輝き続けるナダルは、ここにきて苦境に立たされている。昨年9月の全米オープン4回戦敗退を皮切りに黒星を重ねており、新シーズン初戦として出場した男女混合の国別対抗戦「ユナイテッドカップ」でもシングルスで2連敗。直近7試合では1勝6敗となっている。

 それでも長きにわたる輝かしいキャリアの中で数々の試練を乗り越えてきたことから、特に不安はないと語る。テニス系海外メディア『UBITENNIS』によると、すでに全豪の会場で調整を開始しているナダルは現地1月10日に記者団の取材に応じ、以下のようにコメントした。

「ここ2~3か月はあまりテニスができなかったし、新シーズンの初めにはシドニーで2試合やって負けたけど、正直言って準備に不満はないよ。準備自体はうまくいっているし、練習もたくさんできている。いい状態だと思う。あとは、公式戦で自分がいい状態にあることを証明する必要があるね。この1週間、ポジティブな練習ができれば自信はついてくる」
 

 昨年10月8日には妻のマリア・フランシスカ・ペレロさんとの間に第1子(男児)が誕生したナダル。これを踏まえてある記者から「父親としての新たな責任が、あなたのテニスに影響を与えているのか?」と尋ねられると、「間違いなく以前よりは少し自分を整理する必要がある」と回答。

「そういうことは人生で初めてのことだ。今までと同じように過ごすためには全てのことに適応するための時間が必要なんだ」とも述べ、ここ最近の目まぐるしい環境の変化に多少なりとも戸惑いを感じていると明かした。

 そんななかでも36歳の鉄人は「僕の周りには、問題なく続けていくための全てのものがあると思う」と、常に温かいサポートを提供してくれる周囲の人々への感謝の言葉を忘れなかった。

 なお同郷の世界王者カルロス・アルカラス(19歳)が右足の負傷で欠場を表明したため、今回の全豪には現在世界2位につけているナダルが第1シードとなることが確定している。タイトル防衛へのプレッシャーがかかるなかで、どのようなパフォーマンスを見せてくれるのか注目だ。

文●中村光佑

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