勝負は下駄を履くまでわからない——。
言うは易いが行なうは難いこの慣用句を、日本の2選手が、コート上で体現してみせた。
一人は、日比野菜緒。もう一人は、綿貫陽介。全豪オープン予選2回戦で、両選手はいずれも2本のマッチポイントをしのぎ、薄氷を踏む勝利を奪取。1月12日に行なわれる予選決勝へと歩みを進めた。
予選1回戦でも大接戦を勝ち抜いた日比野の2回戦は、彼女の優勢で進むかに見えた。立ち上がりのゲームをブレークすると、主導権を掌握し4ゲーム連取。27分で第1セットを取った時、実績と経験に勝る日比野が、そのまま押し切るかに思われた。
だが第2セットに入ると、相手のプレーの精度が上がる。恐れなくフォアで攻めるミリアム・ビヨルクルンド(スウェーデン)が、第9ゲームをブレークし第2セットを奪った。
そうしてもつれ込んだ、最終セット。並走状態のゲームカウント4-4から、ビヨルクルンドがブレークで抜け出す。第2セットを再生するかのような展開の末に、日比野はマッチポイントに追い込まれた。
後がないこの局面で、日比野は渾身のリターンウイナーを叩き込む。2本目のマッチポイントでは、相手の好サービスをスライスで的確に返しミスを誘った。
かくして剣が峰で踏ん張った日比野が、このゲームをブレーク。ところが続くサービスゲームでブレークを許し、引き寄せた流れを手放したかに見えた。それでも続くゲームで日比野は、攻撃的なリターンを連発しラブゲームでブレークする。
再びつかんだ勝利の女神の後ろ髪を、もう離すことはない。10ポイントタイブレークでは、序盤で6ポイント連取。勝利の瞬間こぼれたのは、歓喜の叫びではなく、安堵のため息だった。
「2試合連続の10ポイントタイブレーク。いっぱい、いっぱいで、喜ぶどころではなくて」
そう言い浮かべる苦笑い。「気持ちのアップダウンが大きかった」と振り返り、「オフシーズンは年齢との戦いだった。以前はできたことができない自分を責めていた」とも述懐した。
それでも「コートに入れば、やることは一つ」と、シーズンが始まり吹っ切れた様子。勝負強さを発揮しつつ、4大会連続となる全豪オープン本戦出場を目指す。
言うは易いが行なうは難いこの慣用句を、日本の2選手が、コート上で体現してみせた。
一人は、日比野菜緒。もう一人は、綿貫陽介。全豪オープン予選2回戦で、両選手はいずれも2本のマッチポイントをしのぎ、薄氷を踏む勝利を奪取。1月12日に行なわれる予選決勝へと歩みを進めた。
予選1回戦でも大接戦を勝ち抜いた日比野の2回戦は、彼女の優勢で進むかに見えた。立ち上がりのゲームをブレークすると、主導権を掌握し4ゲーム連取。27分で第1セットを取った時、実績と経験に勝る日比野が、そのまま押し切るかに思われた。
だが第2セットに入ると、相手のプレーの精度が上がる。恐れなくフォアで攻めるミリアム・ビヨルクルンド(スウェーデン)が、第9ゲームをブレークし第2セットを奪った。
そうしてもつれ込んだ、最終セット。並走状態のゲームカウント4-4から、ビヨルクルンドがブレークで抜け出す。第2セットを再生するかのような展開の末に、日比野はマッチポイントに追い込まれた。
後がないこの局面で、日比野は渾身のリターンウイナーを叩き込む。2本目のマッチポイントでは、相手の好サービスをスライスで的確に返しミスを誘った。
かくして剣が峰で踏ん張った日比野が、このゲームをブレーク。ところが続くサービスゲームでブレークを許し、引き寄せた流れを手放したかに見えた。それでも続くゲームで日比野は、攻撃的なリターンを連発しラブゲームでブレークする。
再びつかんだ勝利の女神の後ろ髪を、もう離すことはない。10ポイントタイブレークでは、序盤で6ポイント連取。勝利の瞬間こぼれたのは、歓喜の叫びではなく、安堵のため息だった。
「2試合連続の10ポイントタイブレーク。いっぱい、いっぱいで、喜ぶどころではなくて」
そう言い浮かべる苦笑い。「気持ちのアップダウンが大きかった」と振り返り、「オフシーズンは年齢との戦いだった。以前はできたことができない自分を責めていた」とも述懐した。
それでも「コートに入れば、やることは一つ」と、シーズンが始まり吹っ切れた様子。勝負強さを発揮しつつ、4大会連続となる全豪オープン本戦出場を目指す。