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海外テニス

昨年ダブルス優勝のキリオスがケガにより全豪欠場「ただ前を向いて、やるべきことをやるだけだ」<SMASH>

中村光佑

2023.01.17

エキジビで復帰を果たしたが、ヒザの状態が芳しくないキリオス。故郷に戻り、ヒザの手術をする予定だ。(C)Getty Images

エキジビで復帰を果たしたが、ヒザの状態が芳しくないキリオス。故郷に戻り、ヒザの手術をする予定だ。(C)Getty Images

 非常に残念なニュースが飛び込んできた。ファンからも絶大な人気を誇る男子テニス世界ランク21位のニック・キリオス(オーストラリア/27歳)が、ヒザの半月板負傷により母国で開幕した年内最初のテニス四大大会「全豪オープン」(1月16日~29日/オーストラリア・メルボルン/ハードコート)の欠場を発表したのである。

 昨年大会では同郷の後輩であるタナシ・コキナキス(現シングルス159位/26歳)との男子ダブルスで地元ペアとして25年ぶりとなる全豪優勝を成し遂げたキリオス。昨季はシングルスでも大躍進を遂げ、7月のウインブルドンでは自身初の四大大会決勝へと進出。その他のツアー公式戦でも安定した成績を残し、持ち前の類まれなるポテンシャルを遺憾なく発揮した。

 そんな彼は昨年10月に行なわれた楽天ジャパン・オープン(ATP500)のシングルス準々決勝を棄権して以降、ケガによりトーナメントではプレーしていない。実は新シーズン初戦として出場を予定していた「ユナイテッドカップ」(男女混合の国別対抗戦)とその翌週の「アデレード国際2」(ATP250)もヒザの違和感を理由に欠場していたのだ。

 それでも現地1月13日に全豪のセンターコートで行なわれた元世界王者ノバク・ジョコビッチ(セルビア/現5位)とのエキジビションマッチでようやく復帰を果たし、ブランク明けとは思えない質の高いパフォーマンスを披露。超満員となった会場のファンを魅了した。

 だがどうやらヒザの状態は芳しくないようだ。理学療法士のウィル・マー氏同席のもと、現地16日に全豪の会見場に姿を現したキリオスは無念の表情を浮かべながら以下のようにコメントした。
 
「もちろん全豪でプレーできなくなってショックだよ。ここは僕のホームトーナメントみたいなもので、素晴らしい思い出がいくつもある。昨年はダブルスで優勝し、おそらく人生で最高のテニスをすることができた。

 優勝候補の1人としてこの大会に臨む予定だったわけだから、本当に残念でならない。今自分にできることは、ただ前を向いて、やるべきことをやって、(ツアーに)戻ってくることだけだよ」

 ATP(男子プロテニス協会)の公式サイトによると、キリオスのヒザのケガは先週受けたMRI検査で発覚したもので、半月板の小さな断裂によるのう胞が確認されたという。これについてマー氏は「キャリアを脅かすとか、そういう意味での重大なケガではない」としたうえで、「先週には注射器でのう胞を排出する処置が行われた」と説明した。

 その一方で同氏はまだまだ予断を許さない状況が続いているとも発言。「彼(キリオス)は今週末に故郷キャンベラに戻り、ケガを悪化させないためにヒザの手術を行なう予定だ」と明かしている。

 優勝候補の筆頭に挙げられていた中で、どの大会よりも思い入れのある自国開催のグランドスラムを諦めなければならないつらさは計り知れない。とにかく今は一日も早くツアーに復帰できるよう、治療に専念してもらいたい。

文●中村光佑

【PHOTO】準優勝のキリオスはじめウインブルドン2022で活躍した男子選手たち

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