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海外テニス

【全豪オープンテニス】4回戦進出の西岡良仁、目指すは錦織圭以来となるベスト8以上!

内田暁

2023.01.21

3回戦は西岡にとって「やりにく」試合となったが、それでもストレートで勝ち切って新たなステージへと駒を進めた。(C)Getty Images

3回戦は西岡にとって「やりにく」試合となったが、それでもストレートで勝ち切って新たなステージへと駒を進めた。(C)Getty Images

「今年の目標」に掲げていたグランドスラム(四大大会)の4回戦進出は、シーズン最初の全豪オープンで、早々に達成してみせた。

 それは西岡良仁にとって、初めて足を踏み入れる領域。日本人男子選手としても、オープン化以降3人目の快挙だ。さらには“ツアーレベル大会通算100勝”という、キャリアのマイルストーンでもある。

 3回戦の対戦相手のマッケンジー・マクドナルドは、1995年生まれの同期。同じアジア系ということもあり、ダブルスも組むなど良く知る仲だ。

 ラファエル・ナダルが負傷もあり2回戦で敗れたことで、西岡にしてみれば、期せずして大きく広がった4回戦への道。

 その事実が、西岡を「硬くした」という。

 立ち上がりから「思うようにラケットが触れず」、西岡にしてはミスが目立つ。もつれこんだタイブレークでも、6-3とリードしながら、ストロークが浮いて追いつかれた。

 だがこの6―6の局面で、集中力を高める。

 うめくように声をあげ、センターに叩き込んだサービスは、相手のラケットに触れず後方のフェンスへ。

 直後に「ウォー!」と咆哮を上げたサービスエースを機に、最後はネットに詰めて相手のミスを誘った。

 結果的にはこの第1セットが、両者が互角に競り合った最初で最後のセットになる。

 第2セットの最初のゲームで、マクドナルドが腹筋を痛めたからだ。デュースの局面で取ったメディカルタイムアウトが、その深刻さを物語る。特にサービスは全く打てず、第2セットの終盤以降は、ほとんどがアンダーサーブになった。
 
 最後まで棄権せずコートに立ったのは、彼自身が2回戦で、負傷してなお試合を戦いきったナダルの姿を目の当たりにしたかもしれない。

 西岡にしてみれば、負傷した相手とのプレーは「ほとんど流れがないなかで、やりにくかった」とも明かす。それでも今の西岡にとっては、この試合で勝利を手にするのは難しいことではない。7-6(6),6-3,6-2で、4回戦へのチケットをつかみとった。

 運も含め、種々の巡り合わせもあり開いた歴史の扉。ただそれも、過去のドロー運の無さの“清算”に、攻撃テニスを標榜したこの2年ほどの取り組みが重なったがゆえだろう。

 4回戦の対戦相手は、フランシス・ティアフォーとの激闘を制した、カレン・ハチャノフに決まった。西岡が、「どちらかと言えば、やりやすい」と目した相手である。

 対戦戦績は、1勝2敗。その1勝は、直近の昨年夏に得たものだ。初対戦は、3年前の全豪2回戦で、その時はストレートの敗戦を喫している。

 あれから4年。進化したプレースタイルで、錦織圭以来となる全豪オープンベスト8以上を目指す。

現地取材・文●内田暁

【画像】全豪オープン2023で熱戦を繰り広げる西岡良仁ら男子選手たちの厳選写真!
 

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