海外テニス

全豪オープン優勝へあとひとつ! 車いすシングルスの男子・小田凱人&女子・上地結衣が頂点への決意を語る「今は楽しみでしかない」

THE DIGEST編集部

2023.01.27

車いすテニス男子シングルスの小田(左)と同女子の上地(右)。ともに決勝進出を決めた。写真:WOWOW

 いよいよ終盤戦を迎える2023シーズン最初のテニス四大大会「全豪オープン」(豪州・メルボルン)は、現地1月26日に車いす男子シングルスの準決勝が行われた。同22日に引退を発表した国枝慎吾さんの後継者と言われる第3シードの16歳・小田凱人が第2シードのG・フェルナンデスにフルセットの末に勝利し決勝進出。四大大会初優勝を懸けて、28日の決勝で第1シードのA・ヒュウエットと対戦する。

 また、車いす女子シングルスでは3年ぶりの優勝を狙う第2シードの上地結衣が、26日の準決勝でJ・グリフィオンにストレート勝ち。同じく28日の決勝で、第1シードのD・デグロートと対戦する。

 頂点を懸けた大一番を間近に控えた小田、上地の両選手に、現在の心境を聞いた。

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【小田凱人インタビュー】

Q.グランドスラム参戦2年目で初の決勝進出。感想をお願いします。

自分としては「ついに」という気持ちが強いです。ここまできたら最後はすべてを出し切るだけなので、気負わずにいつも通り自分らしいテニスをしたい気持ちがすごく強いです。
 
Q.準決勝は壮絶な試合でしたね。最初の2セットを振り返ってください。

1セット目の1ポイント目から自分のテニスをしてどんどん攻める気持ちで気合が入っていましたし、モチベーションも高い状態で試合に挑めたので、1セット目は思い通りに進められた展開でした。2セット目に関しては、自分が落ちたというより、相手の力が上回った感じです。ただ、チャンスがないわけではなかったので、そこで取り切れていたらと思います。ファイナルセットに入ってから、振り出しに戻った気持ちで試合を進めることができました。スタートはよくありませんでしたが、そこから接戦を演じ、特に(セットカウント)3-5から巻き返した場面では、今までやってきたことが試合で出たと実感しています。達成できたことで今は自信があります。これからもっともっとああいう試合を経験していく中で自信となって経験として残っていくと思います。今年はまだ始まったばかりですが、この1年の中で大きな1試合になるかなと感じます。

Q.決勝の相手はA・ヒュウエット。これまでの対戦成績1勝4敗と強敵です。どんなイメージをもって、どんな戦い方をしますか?

先週にメルボルンの大会で対戦しているので、どんな感じなのかはわかっています。もちろん手ごわいですし、今のランキング1位です。チャンスはあると思いますが、準決勝よりかなり厳しい戦いになることはわかって臨みます。相手の対策もしていて、どういう展開でポイントを取るというのも重要になってくると思います。ただ、自分の実力をどれだけ出せるかが勝敗の分かれ目だと思うので、必ず全力を毎回出せるような実力をつけたいです。今はどの会場になるかわかりませんが、会場が大きいほど100%以上の実力を出せるような自信がありますので、モチベーションを保ちながら試合に挑めばこれまで以上にチャンスがあると思います。これまでのキャリアの中で大舞台になるので、今は楽しみでしかないです。

Q.今日も会場にはファンの方がたくさんいました。やはり楽しみな気持ちが大きいですか?

そうですね。日本人含めてたくさんの方に見ていただいた方が、自分はプレーが上がってくる選手だと思うので、準決勝よりも多くの方々に見てもらいたいと思います。それは、車いすテニスに対しても良いこととだと思います。車いすテニスに対して好影響を与えるような選手になりたいですし、自分が頑張ることでいろいろな人を勇気づけられればと思います。逆に日本からライバルが現れてほしいと思いますし、本当に楽しみです。
 
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「今回初めての決勝を一緒に戦えるのは嬉しいですね」