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海外テニス

元コーチの叔父が苦境に立たされるナダルに断言「16歳からツアーを回り、代償を払っている」<SMASH>

中村光佑

2023.01.31

全豪2回戦で左股関節を負傷したナダル(左)について、元コーチで叔父のトニ氏(右)が言及した。(C)Getty Images

全豪2回戦で左股関節を負傷したナダル(左)について、元コーチで叔父のトニ氏(右)が言及した。(C)Getty Images

 長きにわたるキャリアを通じて数々の輝かしい功績を残してきた男子テニス元世界王者のラファエル・ナダル(スペイン/現世界ランク6位)。その彼は今、かつてない苦境に立たされている。

 ディフェンディングチャンピオンとして参戦したテニス四大大会「全豪オープン」でもマッケンジー・マクドナルド(アメリカ/大会時65位/現63位)にストレートで敗れて2回戦敗退に終わり、直近8試合でも2勝6敗と結果が振るわない。

 さらにはマクドナルドとの全豪2回戦で左股関節を負傷。試合後に更新した自身の公式SNSでナダルは「全治までは6~8週間が必要」と報告し、それから1週間後に受けたスペイン・バルセロナでの追加検査の結果についても「離脱期間は変わらない見込みだ」と伝えている。現時点では3月頃の復帰が予想されているものの、場合によっては4月初旬から始まる得意のクレーシーズンまでカムバックを遅らせる可能性も高い。

 こうなると14度もの優勝を経験している「全仏オープン」(5月28日~6月11日/クレーコート/グランドスラム)でのパフォーマンスにも不安は募る一方だ。昨年の同大会では、慢性的な痛みを抱えている左足に麻酔注射を打ちながらも、素晴らしいプレーで史上最多となるグランドスラム22度目の優勝を果たしたが、前回と同じような質の高いテニスができるかどうかは左股関節の回復状況次第だろう。
 
 それでもナダルの叔父で、元コーチでもあるトニ・ナダル氏は、幾多の試練を乗り越えてきた甥が見事な復活を遂げ、本命の全仏で再び優勝トロフィーを掲げることを願ってやまない。このほど応じたスペインのカルチャー雑誌『Vanity Fair』のインタビューで同氏は「彼の今後がどうなるかはわからない」と前置きし、次のようにコメントした。

「彼の場合は長年ツアーにいて、去年はいろいろな問題があって、結局はケガをしてしまったから、次の大会以降のことはわからない。ラファエルはすごい身体つきをしているが、16歳からプロ選手としてツアーで戦っているのだから、それなりの代償を払っているのも事実だ。

 高い強度でボールを打ちながらプレーしている年月が長い。そういうのがあると、今日はここがダメ、明日はあそこがダメというように、身体が簡単に(悪い方へ)動いてしまう。彼が今年の全仏でまた頂点に立てると信じている。今後のことはそれからだ」

 ここ最近は36歳という年齢から現役引退についての質問を受ける機会も増えているナダルだが、本人は「身体が許す限りはプレーを続ける。引退のことは考えていない」とまだまだこの先も第一線で輝き続ける意志を示している。このような力強い言葉を聞けたことに多くのテニスファンが安心感を抱いたはずだ。ぜひとも復帰後には再びナダルらしい熱いプレーを見せてもらいたい。

文●中村光佑

【PHOTO】全豪オープン2023で熱戦を繰り広げるナダルら男子選手たちの厳選写真!

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