海外テニス

「非常に体調が良い」カタールOPで逆転勝利を収めたマリーが全仏に向け意欲「引退する前にプレーする機会を持ちたい」<SMASH>

中村光佑

2023.02.21

全豪で5時間45分の死闘を制したことが「自分の身体への自信を与えてくれた」と言うマリー。(C)Getty Images

 現在開催中の男子テニスツアー「カタール・オープン」(2月20日~26日/カタール・ドーハ/ハードコート/ATP250)のシングルス1回戦を突破した元世界王者のアンディー・マリー(イギリス)が試合後の記者会見に出席。その中で現役引退を告げるまでにクレーシーズンの最高峰となるテニス四大大会「全仏オープン」(フランス・パリ)でプレーをする意欲を示した。

 長らく臀部のケガに悩まされながらも、人工関節挿入の大手術を経て見事な復活を果たしたマリー。昨シーズンはツアー大会で2度の準優勝を収めるなど1年を通して安定した成績を残し、昨年6月には約4年ぶりとなるトップ50(現在は70位)に復帰。

 先月出場した年内最初のテニス四大大会「全豪オープン」(オーストラリア・メルボルン/ハードコート)では2回戦で自己最長時間となる5時間45分の死闘の末に地元勢のタナシ・コキナキス(オーストラリア/現100位)を大逆転で下し、各方面から称賛の声を浴びていた。

 そんなマリーが昨年2月に「この2年間はクレーでプレーしていると臀部のケガが悪化した」と告白し、同時にクレーシーズンでの全大会欠場を表明したことはファンの記憶にも新しい。

 ところが突如気が変わったのか同年5月のマドリード・オープン(スペイン・マドリード/クレーコート/ATP1000)には本選ワイルドカード(主催者推薦)で参戦。見事1、2回戦を突破するも、現世界1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)と対戦するはずだった3回戦は食中毒により試合前棄権を余儀なくされた。
 
 依然としてフィジカルコンディションに不安を抱え続けるマリーだが、今回の会見では「オフ期間にしっかりと鍛錬を積んできた」ことで、「現在は非常に体調が良い」と調子の良さをアピール。「最高の状態にあるとは思わない」としつつも、先の全豪でマラソンマッチを戦い抜いたことが「自分の身体への自信を与えてくれた」という。

 そのうえでマリーは3月のマイアミ・オープン(アメリカ・マイアミ/ハードコート/ATP1000)に出場後に「クレーコートで3~4週間ほどトレーニングを積む」プランを明かし、「コートに身体を慣らしてコンディションを確認してから、調子が良ければマドリードとローマのマスターズ2大会と全仏でもプレーする予定だ」と発言。

 その中でも2016年に準優勝を経験した全仏については「体力的にとても調子が良いうちにもう一度プレーしたい。それに引退する前にプレーする機会を持ちたいね」と闘志を燃やした。

 なお、現地2月20日に行なわれたドーハ大会1回戦で3度のマッチポイントを握られながらもロレンツォ・ソネゴ(イタリア/71位)に4-6、6-1、7-6(4)の逆転で勝利したマリーは、2回戦で第4シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ/16位)と対戦する。

文●中村光佑

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【動画】「カタール・オープン」1回戦、マリー対ソネゴ戦のハイライト