海外テニス

「出場できないのは悲しい」故障のナダルが米国シリーズ欠場を発表。18年ぶりにトップ10陥落へ<SMASH>

中村光佑

2023.03.02

全豪オープンで負った故障の回復が遅れ、3月の米国シリーズを見送る決断をしたナダル。昨年獲得したポイントを失うことに…。(C)Getty Images

 現地2月28日、男子テニス元世界王者のラファエル・ナダル(スペイン/現世界ランク8位)が自身の公式ツイッター(@RafaelNadal)を更新。3月8日から開催される「BNPパリバ・オープン」(アメリカ・インディアンウェルズ/ハードコート/ATP1000)と同月22日に開幕する「マイアミ・オープン」(アメリカ・マイアミ/ハードコート/ATP1000)の北米マスターズ2大会を、左股関節のケガにより欠場すると正式に発表した。

 直近8試合で2勝6敗と黒星が先行している36歳のナダルは、1月にディフェンディングチャンピオンとして出場した年内最初のテニス四大大会「全豪オープン」のシングルス2回戦でマッケンジー・マクドナルド(アメリカ/現62位)と対戦した際に左股関節を負傷。試合後に更新した自身の公式SNSでは「全治までは6~8週間が必要」と報告し、それから1週間後に受けたスペイン・バルセロナでの追加検査の結果についても「離脱期間は変わらない」と伝えていた。

 これを受けて先日ナダルは前王者カルロス・アルカラス(19歳/現2位)との対戦を予定していたアメリカ・ラスベガスでのエキジビションマッチ「The SLAM」(3月5日に開催/ハードコート)も欠場を表明。同時期のインディアンウェルズとマイアミには出場する意欲を見せていたものの、これらについても残念ながら回復が間に合わないとして出場辞退を決断した。

 このほど更新したツイッターで、ナダルはジムでリハビリに取り組む動画を添えて近況を報告。続けて北米マスターズ2大会の欠場を表明し、無念の心境を綴った。

「お久しぶりです。休養を取り、医師の指示に従い、リハビリやジムでのトレーニング、理学療法を開始しました。ベストコンディションで復帰できるように準備を進めているところです」
 
「インディアンウェルズとマイアミに出場できないのは悲しいです。あの場所に立てないこともとても悲しいです。アメリカのファンのみんなに会えなくなるのは寂しいですが、今夏のハードコートシーズンではお会いできることを祈っています」

 これによりナダルは昨年のインディアンウェルズ準優勝で獲得した600ポイントを失効することが確定。3月20日に更新される世界ランキングでは現在の3315ポイントから2715ポイントに減り、2005年4月から約18年にわたって守り続けてきたトップ10から陥落する見込みとなっている。

 ここ最近は受難続きのナダルだが、長きにわたる輝かしいキャリアを通じて数々の試練を乗り越えてきた鉄人がこのまま終わるはずがないだろう。4月から始まる得意のクレーシーズンでは万全の状態で復帰できることを願いたい。

文●中村光佑

【連続写真】ヒジ主導でテイクバックしてパワーを生み出す、ナダルのフォアハンド
 
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【動画】ナダルが自身のツイッターに投稿したジムでトレーニングに励む様子