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【テニスストリング基礎知識】50歳を過ぎてテニスを始めた「シニアプレーヤー向け」のセッティングとは<SMASH>

スマッシュ編集部

2023.03.03

ケガのリスクを軽減させながら楽しくテニスをしたいシニア初心者にお薦めの設定とは…。(C)Getty Images

 テニスボールはラケットを使って打ちます。けれどもボールと直接触れるのは、ラケットフレームに張られている「ストリング(糸)」です。そのため自分のラケットに張られているストリングのことを知ることは、テニスの出来を左右するとても大切なことなのです。

 知っているようで、あまり知られていないストリングのこと。そこでストリングやラケットに関する素朴な疑問をプロのストリンガー(ストリングを張る人)にぶつけてみました。

 今回のテーマは「シニアプレーヤーのセッティング」についてです。

 健康維持のために50歳を過ぎてからテニスを始めた男性プレーヤーが、自分に合ったストリングの設定を探しています。「ケガのリスクを軽減させて楽しく上達できるラケットのセッティング」について、訊きました。

   ◆   ◆   ◆

 まず、素材ですがナイロンの『マルチタイプ』をお薦めします。素材に柔らかさがあり手首やヒジに優しいので、テニスを始めたばかりの人がケガをするのを防いでくれます。

 ストリングの張りの強さは、ラケットの面の大きさで少し異なります。100平方インチ未満の場合、張る強さは40から46ポンドの間がお勧めです。面の大きさがそれ以上の場合は、1から3ポンドほど、張る強さをプラスしてください。

 ストリングのゲージ(太さ)は、上達するに従って調整がしやすい1.25の太さからスタートしましょう。

 上達するにつれてボールをしっかり打てるようになると、何かしらの要素が欲しくなってきます。要素としては、『ボールの飛び』『打球感』『ボールの回転』『ストリングの耐久性』等があります。
 
 ボールの飛びや打球感が欲しい場合は、素材を硬めのナイロンモノタイプにしたり、ゲージを細くして調整します。

 ボールの回転が欲しい場合は、使っているストリングより細いゲージにしましょう。また、スピンタイプのストリングもありますので、ストリンガーに相談してみてください。

 ストリングの耐久性に関しては張り替えてから3カ月間、切れなければ十分です。その前に切れるようなら同タイプのゲージを太くしてください。

 さらに重要なことはストリングが切れなくても、3カ月に1度は必ず張り替えることです。3カ月以上、替えないとボールの飛びが落ち、ストリングのしなやかさがなくなり上達の妨げや、ケガへつながる恐れがあります。

 50歳で始められたテニス、快適にプレーして、気持ちよく上達してください。

解説:大井孝亮(テニスサポートセンター)
取材協力●テニスサポートセンター

構成●スマッシュ編集部
※2022年6月号より抜粋・再編集
※編集部注:本記事内で紹介している設定は一般的な目安です。最適な設定は、年齢・身長・体重・筋力などにより個人差があります。信頼できるストリンガーと相談したうえで決めてください。

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