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【テニスルール虎の巻】試合中に雨が降り出し「屋外から屋内コートへ移動」、こんな時はどうなるのか<SMASH>

スマッシュ編集部

2023.03.04

試合中に雨が降ってきて屋外から屋内のコートへ移動することになった。こんな時はどのような対応がとられるのだろうか。(C)Getty Images

 多くのアマチュアは自分自身でゲームの判定を下す「セルフジャッジ」でテニスの試合をしています。「自分で判定するなら簡単」と思うかもしれませんが、それは大間違い。いい加減な判定によってトラブルを起こすことが多々あるからです。
  
 そうしたトラブルなしで試合を楽しむには、とにかくルールに詳しくなることが大切です。そこで元プロ選手で現在公認審判員も務める岡川恵美子氏にケース別でルールについて解説してもらいました。

 今回は「雨天による会場変更」についてです。屋外の試合で雨が降ってきたため、途中から屋内コートに会場移動して試合を再開することになりました。では、こんな時はどのように対応すればいいのでしょうか。

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 一般大会でも「バックアップファシリティ」(コートのバックアップ)がある場合、雨天などにより試合を消化できない時は、コートを移動してゲームを続けることができます。ただし、再開方法は別コートへの移動時間によって変わります。

 例えば屋外コートのすぐ隣りに屋内コートがある場合、移動に時間はかかりません。一方、屋内コートまで車で移動する場合もあります。そのため会場を移動する際には「中断時間のルール」が適用されます。
 

 まず、移動してから再開するまでの時間が15分未満であればウォーミングアップはなし。再開まで15~30分未満であればウォーミングアップは3分間。そして再開まで30分を超える場合は5分間のウォーミングアップが認められている。このルールに従って再開するわけです。

 会場によっては砂入り人工芝コートからハード、ハードからカーペットとサーフェスが変わることもあります。サーフェスが変わると球質も変わりますが、そうした場合は気持ちを切り替えて対応するしかありません。「サーフェスが違うから負けた」と言い訳はしたくないですね。

解説●岡川恵美子
17歳で全日本選手権を制覇して日本初の高校生プロとなる。グランドスラム(四大大会)では、全豪オープン3回戦進出を始め、全仏オープンやウインブルドンの本戦に出場。現在はベテラン大会に挑戦しながら、ITF国際審判員、JTA公認審判員も務める。

構成●スマッシュ編集部
※スマッシュ2022年2月号より抜粋・再編集

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