海外テニス

フェデラーがスイスの硬貨に! 存命の人物では初めて

誉田優

2019.12.03

存命人物では初、スイスの硬貨になったフェデラー。(C)Getty Images

 テニス界の生ける伝説、スイス出身のロジャー・フェデラーが、スイスの記念硬貨となることが発表された。

 2019年シーズンも、ATPランキング3位と上位をキープ。38歳でのランキング3位は、史上最年長記録となる。それだけでなく、ツアー103勝、グランドスラム20勝、累計310週にわたるランキング1位記録など、歴史に残る数々の記録を塗り替えてきた。

 そんなフェデラーの姿を刻んだスイスフランの金貨と銀貨が現在、発行の準備をしていることが明かされた。フェデラーは、「ありがとう、スイスそしてスイスミント(スイスの貨幣鋳造局)。驚くほどの名誉と特権を」というメッセージと共に、ツイッターにて1本の動画を投稿した。
 
 その内容とは、鋳造されたばかりの銀色のメダルに、フェデラーの姿が刻印されていく場面だ。フェデラーの武器である、片手バックハンドのテイクバックの瞬間を切り取ったデザインとなっている。
 
 動画の最後には、もう1面に20の数字が浮かび上がり、スイス政府が認めた公的な20フラン銀貨(約2200円)であることがわかる。のちに50フラン(5500円)金貨も発行されることが発表されているが、デザインはまだ公開されていない。

 20フラン硬貨は初回5万5000枚、5月に4万枚発行の予約限定販売で、スイスミントの公式ホームページでは12月2日から予約が始まっている。日本にいながらの購入は残念ながら難しいようであるが、公式サイトで情報は確認できる。

 2007年には、生まれ故郷であるバーゼルにて記念切手も販売されたフェデラー。ドイツのハーレには、「ロジャー・フェデラー通り」と改名された通りがあり、道路標識にもその名が記されている。スイス政府は「フェデラーのコート内外での活躍により、スイスが有名になった」と述べた。スイス硬貨に存命の人物が描かれるのは初めてのこと。また新たな伝説を作ったのである。

文●誉田優
フリーライター。早稲田大学スポーツ科学部卒業。
Twitter:yu__honda/Instagram:yu__honda