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海外テニス

フェデラーとピケの和解はあるか?日本開催は…?新フォーマット「ワールドカップ型デビスカップ」の課題

内田暁

2019.11.28

代表戦にもかかわらず、開催国スペイン以外の試合では観客席に空席が目立った。写真:スマッシュ編集部

代表戦にもかかわらず、開催国スペイン以外の試合では観客席に空席が目立った。写真:スマッシュ編集部

 100余年に及ぶ歴代優勝国の名を刻む台座に、スペイン国旗をテーブルクロスのように広げ、その上に置いた“デビスカップ”と共に、ラファエル・ナダルがチームメイトと“セルフィ”を撮る――。

 18カ国が集結し行なわれた、第1回の“ワールドカップ型デビスカップ”は、満員の観衆にアリーナが膨れ上がるなか、開催国スペインが優勝トロフィーを掲げる大団円のうちに幕を閉じた。

 だが皮肉にもこの結末は、今大会が抱えた争点を克明に浮かび上がらせもする。

 従来の、対戦する2か国のいずれかを開催地とする“ホーム&アウェー”方式から、一都市開催へと大改革を成した今大会。その変革に反対する選手の多くが口にしたのが、「ホームの声援があるからこそ、選手は国のために高いモチベーションで戦える」という意見だ。だからデ杯では大番狂わせも珍しくなく、結果として、開催国でのテニス人気向上にもつながる……というのが、変革反対派の主張。そしてスペインの優勝は、それらの主張の正しさを裏付ける結果となったからだ。
「New era, same soul(新たな時代、変わらぬ魂)」をキャッチコピーに開幕した今大会は、世界1位のナダルや2位のノバク・ジョコビッチが獅子奮迅の活躍を見せる決勝トーンメントに入ってから、俄然、熱を帯びだした。

 だがそれらトップ選手の間からは、1週間の短期決戦や、ATPツアーファイナルズ直後というスケジュールを問題視する声が上がっている。さらに、この問題を一層複雑化しているのが、来年の1月3日に産声をあげる“ATPカップ”の存在だ。かたやITF(国際テニス協会)、かたやATPが主催する2つの国別対抗戦が、わずか6週間を隔てて行なわれるのは選手の負担が大きい上に、興行的にも競合する。

 ナダルは「あくまで僕一個人の意見だが……」と前置きした上で、「2大会の共存は不可能。統合されるべきだ」との持論を展開した。「ATPとITFは協力しあい、次の次元に話を進めるべきだと思う。ATP、ITF、コスモス、デビスカップ、ワールドカップ……名前はデビスカップで良いと思うが、皆が協力して1つにまとまれたら素晴らしいことだ」

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