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【テニスルール虎の巻】対戦相手の試合進行が明らかに遅い場合はどう対応すべきか<SMASH>

スマッシュ編集部

2023.03.11

ポイント間に必要以上に話をしているペアを見かけるが、こんな時はどうすればいいのか…。(C)Getty Images

 多くのアマチュアは自分自身でゲームの判定を下す「セルフジャッジ」でテニスの試合をしています。「自分で判定するなら簡単」と思うかもしれませんが、それは大間違い。いい加減な判定によってトラブルを起こすことが多々あるからです。
  
 そうしたトラブルなしで試合を楽しむには、とにかくルールに詳しくなることが大切です。そこで元プロ選手で現在公認審判員も務める岡川恵美子氏にケース別でルールについて解説してもらいました。

 今回は「遅延行為」についてです。セルフジャッジの試合で相手の進行が明らかに遅い場合、こちらからタイムバイオレーション(遅延行為による警告)を与えることはできるのでしょうか?

   ◆      ◆     ◆  

 セルフジャッジの試合で相手がルーズなプレーをしていたとしても、こちらから相手にタイムバイオレーションを科すことはできません。

 ただし、ロービングアンパイアを呼び「ポイント間が長いようなので、時間を見てもらえますか」とお願いすることはできます。

 また、節度ある態度で「もう少しポイント間を早くしてもらえませんか」という相手へのお願いもできます。

 こうしたケースでは、第三者からの指摘があるとお互いに嫌な気分にならずにプレーに集中できるので、やはりロービングを呼んで対応してもらう方が得策でしょう。
 
 セルフジャッジで行なう草大会などでは、必要以上にペアと話をしているケースを見かけます。ですがポイント間は相談するために使える時間ではないので、お互いが速やかに準備をしてプレーを開始しなければなりません。

 なかには「相手が遅くするなら、自分たちだって」と対抗する人もいるようですが、それはダメです。そんなことをしていたら、どんどん試合が遅くなり、嫌な雰囲気の試合になってしまいます。

 そうならないためには相手のペースにイライラせず、勝つために試合に集中し、相手よりも上のレベルのプレーを目指してください。

解説●岡川恵美子
17歳で全日本選手権を制覇して日本初の高校生プロとなる。グランドスラム(四大大会)では、全豪オープン3回戦進出を始め、全仏オープンやウインブルドンの本戦に出場。現在はベテラン大会に挑戦しながら、ITF国際審判員、JTA公認審判員も務める。

構成●スマッシュ編集部
※スマッシュ2022年7月号より抜粋・再編集

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