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海外テニス

37歳ワウリンカが「引退までに大会で優勝したい」と意欲。「若い時の夢を忘れないように」<SMASH>

中村光佑

2023.03.13

約1年2か月ぶりにトップ100へ返り咲いたワウリンカは、「BNPパリバ・オープン」で3回戦に進出した。(C)Getty Images

約1年2か月ぶりにトップ100へ返り咲いたワウリンカは、「BNPパリバ・オープン」で3回戦に進出した。(C)Getty Images

 現在開催中の男子テニスツアー「BNPパリバ・オープン」(3月8日~19日/アメリカ・インディアンウェルズ/ハードコート/ATP1000)でシングルス3回戦に進出した元世界ランク3位のスタン・ワウリンカ(スイス/現100位)が2回戦後の記者会見に出席。その中で「現役引退までに大会で優勝したい」と意欲を示した。

 最高峰のグランドスラム(四大大会)で3度の優勝を誇り、ATPツアーでも16度のタイトルを獲得しているワウリンカ。昨年3月に左足のケガから約1年ぶりのカムバックを遂げた37歳の名手は、復帰直後なかなか好結果を出せていなかった。

 しかし、今季に入ってからはすでに2度ツアーベスト8に進出。昨年5月の段階で361位まで落としていたランキングも現在は100位まで戻しており、約1年2か月ぶりとなるトップ100返り咲きも果たしたのである。

 そんなワウリンカが最後にツアー大会で優勝したのは2017年5月に母国で開催されたジュネーブ・オープン(スイス・ジュネーブ/クレーコート/ATP250)までさかのぼる。

 すなわち約6年間もタイトルから遠ざかっているわけだが、あくまでも現役にこだわりを見せるワウリンカは「どのレベルの大会になるかはわからないけど、引退するまでにトーナメントで優勝できると信じている」と頼もしいコメント。

「僕はもう若くない」としつつも、「以前より少し複雑になっている」苦しい状況を乗り越えてきたからこそ、「たいていの試合で相手を打ち負かすことができると思っている」と語った。
 
 そしてまだまだこの先も第一線で輝くために大切にしていることについて「若い時にどんな夢を持っていたのかを忘れないようにしたいと思っている」と明かし、以下のように会見を締めくくった。

「グランドスラムで3回優勝しても、夢にも思わなかったようなことを成し遂げても、そんなことはどうでもいい。30歳を過ぎても努力し続けたい、情熱を持ち続けたいと思うのなら、物事は特別であり続けなければならない。僕の幼い頃の夢はプロテニスプレーヤーになることで、若い時の目標はトップ100に入ることだった」

「テニスを辞めた後はまだ多くの年月があるから、できる限り現役で楽しみたい。テニスプレーヤーであること、このレベルでプレーすること、世界で最も大きなトーナメントに参加するというのは特別なことだ。結局、テニスに対する見方は人それぞれで、そこが魅力になる。唯一の経験則は、これまでのハードワークと規律だが、それ以外にも、トーナメントで勝つため、そして最高のレベルに到達するためには多くの方法がある」

 なお、現地3月11日に行なわれたインディアンウェルズ2回戦で、ミオミル・ケツマノビッチ(セルビア/31位)にストレートで勝利したワウリンカは、続く3回戦で第7シードのホルガー・ルネ(デンマーク/8位)と対戦する。次戦も持ち前の力強いテニスで勝利をつかんでほしい。

文●中村光佑

【PHOTO】ワウリンカのサービスフォームの変遷。2010年と2016年を比較した連続写真

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