海外テニス

「コートに立つことができなかった」世界7位サッカリが昨シーズンに陥っていたメンタルの不調を明かす<SMASH>

中村光佑

2023.03.14

昨年のBNPパリバ・オープで準優勝を収めたサッカリは、持ち前の粘りのプレーで今年も4回戦へ進出している。(C)Getty Images

 最高峰のグランドスラム(四大大会)で2度のベスト4進出(全仏オープンと全米オープン)を経験した女子テニスのマリア・サッカリ(ギリシャ/現7位)は、昨年3月にキャリアハイとなる世界ランキング3位を記録。ここ最近は四大大会やWTA1000のような大規模な大会をはじめ、ツアートーナメントでの早期敗退が目立っているが、現在もトップ10をキープして何とか踏みとどまっている。

 そんな彼女は昨シーズンにメンタルの不調に陥ってしまい、「コートに立ちたくないと思ってしまうほど状況が悪化していった」という。

 現在開催中の女子テニスツアー「BNPパリバ・オープン」(3月8日~19日/アメリカ・インディアンウェルズ/ハードコート/WTA1000)のシングルスで4回戦に進出したサッカリは3回戦後の会見である報道記者から「コートで戦うのが難しいと感じたことはあったか?」と問われた際、次のように長らく抱えていた苦悩を打ち明けた。

「そうね。昨年は2、3週間、いや、もっとそういう時期があったかもしれない。そのうちのひとつが8月のシリコンバレー・クラシック(アメリカ・サンノゼ/ハードコート/WTA500)で、私は(心地よく)コートに立つことができなかった。そうしたいのに、それができなかった。

 試合を台無しにするためにコートに立ったという感じではなく、その場にいたくなかった。ただただ、コートに立つことができなかった。さらには(昨年5月の)マドリード・オープン(スペイン・マドリード/クレーコート/WTA1000)でもとても苦しんだ」
 
 それでもその後、サッカリは「いくつかの大会でメンタル的に落ち込んでしまうことがあったが、そういう時があってもいいと思う」とコメント。長い選手生活の中でつらい時期に直面するのは、ある意味当たり前だと前向きに捉えられるようになったと語った。

 そうポジティブな言葉を残したサッカリは、昨年準優勝を収めたインディアンウェルズで苦しみながらも持ち前の粘りのプレーを見せて勝ち上がっている。

 初戦となったシェルビー・ロジャース(アメリカ/41位)との2回戦、続くアンヘリーナ・カリニナ(ウクライナ/世界29位)との3回戦でも1セットダウンからの逆転勝ちを収めてベスト16へ駒を進めた。現地3月14日に実施される4回戦ではベスト8入りを懸け、第17シードのカロリーナ・プリスコワ(チェコ/17位)と対戦する。

文●中村光佑

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