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海外テニス

青山修子/柴原瑛菜が米大会でベスト4進出!世界最強ペアとの再戦に向け「やるべきことを2人でやる」と意気込み<SMASH>

内田暁

2023.03.17

今年の全豪オープン女子ダブルス決勝から約1か月を経て、青山修子/柴原瑛菜は再び世界最強ペアに挑む。(C)Getty Images

今年の全豪オープン女子ダブルス決勝から約1か月を経て、青山修子/柴原瑛菜は再び世界最強ペアに挑む。(C)Getty Images

「あなたたちと決勝を戦えたことを、とてもうれしく思います。あなたたちは、いつもハッピーで礼儀正しく、練習熱心ですから」

 今年の全豪オープンテニス女子ダブルス、決勝戦後の表彰式――。

 優勝者のバーバラ・クレイチコワはマイクを手に、対戦相手に最大級の敬意を表した。

 その言葉を聞きながら、15年近くのキャリアを誇る青山修子は「これほどの選手が、私のことをちゃんと見てくれていたんだ」と感じ入る。その傍らでパートナーの柴原瑛菜は「私はまだツアーを周りはじめて3年半ほどなのに、そういう風に言ってくれて本当にうれしかった」と目じりを下げた。

 青山と柴原は、かねてよりクレイチコワとカタリナ・シニアコワを「今最も強いし、一番対戦したいペア」と評していた。だからこそクレイチコワの言葉は2人の胸に響き、「勝ちたい」との渇望を一層掻き立てもしただろう。

 それから約1カ月後――。米カリフォルニア州開催のBNPパリバ・オープン(アメリカ・インディアンウェルズ/WTA1000)準決勝で、2組のペアは再び相まみえる。クレイチコワ/シニアコワは貫録の第1シード。ノーシードの青山と柴原は、2試合連続で大接戦を切り抜け挑戦権をつかみ取った。

 準優勝に輝いた全豪オープン以降、柴原と青山が組んで試合に出るのは、今大会が初。シングルス大会群を転戦していた柴原は、今大会の初戦後には「久しぶりのダブルスで、最初は少し緊張していた」と苦く笑う。

 その後も、試合中に「硬くなることがあった」という彼女は、その原因を「勝ちたいと思いすぎる」ことに見た。
 
「勝ちたい気持ちが、プレーを邪魔してしまう時がある。全豪の時はそれが変に作用せずに良いプレーができたんですが……」

 そんな彼女にとって、挑戦者として迎える世界最強ペアとの対戦は、持ち前の豪快さや積極性、ポジティブなメンタリティをフルに発揮できる格好の舞台だろう。

 そしてもう1人、静かに、かつ緻密に再戦へと備えるのが、青山だ。

「2人とも前ですごく動いてくる。それはやっぱり、後衛が良いサービス、良いボールを打ち、前の選手が良いポジションを取ってくるから」

 クレイチコワ/シニアコワ組の強みをそう分析した上で、青山は続けた。

「ただそのイメージに惑わされず、自分たちが良いボールを、決めたところにしっかり打たなくてはいけない。全豪ではそれができなかったので、自分の中でやるべきことを徹底してトライしていきたいなと思っています」
 
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