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4年ぶり開催の筑波大学オープン、島袋将は決勝で敗れるも「自分のレベルが上がっているのを確認できた」と手応え<SMASH>

渡辺隆康(スマッシュ編集部)

2023.04.02

筑波大学MEIKEIオープン準優勝の島袋将(左)。決勝で台湾のスー(右)に敗れたが、収穫もあったという。写真:渡辺隆康(スマッシュ編集部)

 コロナ禍で2020年以降、中止が続いてきた国内のITFツアー"大学シリーズ"。今年は4年ぶりに再開され、前週の「亜細亜大学国際女子オープン」に続いて、男子の「筑波大学MEIKEIオープン」(賞金総額25,000ドル)が開催、4月2日のシングルス決勝で幕を閉じた。

 決勝のカードは第1シードのスー・ユーシャオ(台湾)対第2シードの島袋将。25歳の島袋は今季ATPチャレンジャーで初優勝を飾り、現在のランキングは240位。昨年後半からはチャレンジャー大会を主戦場にしているが、今回は全仏オープン予選に入れるかぎりぎりの位置にいるため、ITFツアーでポイント固めをする選択をした。

 その目的通り決勝まで危なげなく駒を進めたが、ランク206位のスーは手ごわかった。ラリー自体は早いテンポでボールを叩く島袋が押し気味に進めるが、スーは積極的にネットを取ってプレッシャーをかけてくる。加えてこの日は強風で、島袋はフラット系のストロークやサービスにミスが多い。

 第3ゲームで先にブレークしながら、第6ゲームをダブルフォールト絡みでブレークバックされる。「風も強くて難しく、ブレークされてからサービスのアグレッシブさが崩れた」という島袋。第7ゲームで再びブレークに成功したのだが、「引いてしまった」結果、5-4で迎えたサービングフォーザセットをまた落としてしまった。
 
 そのままタイブレークで第1セットを失うと、第2セットも競り合いながら要所でミスが出て、4―6で振り切られた。

 チャンスはあったが「取りきる力がなかった」と悔しがった島袋。とはいえ、準優勝は全仏予選に向けて悪い成績ではないし、テニスの面では大会を通じて収穫もあった。ITFツアーでは「みんなが向かってくるのを跳ね返す立場」になるが、「プレッシャーのなかここまで勝ち上がれたのは、自分のテニスのレベルが上がっていると思う。それを改めて確認できた」と言う。

 今大会の後は、同じく25,000ドルの「かしわ国際オープン」がすぐに始まる。「全仏のことは考えず、1試合1試合ファイトしていきたい」と島袋。本来のアグレッシブさが出せれば、きっと結果はついてくるはずだ。

◆シングルス決勝結果
スー・ユーシャオ(台湾)[1] 7-6(5) 6-4 島袋将(有沢製作所)[2]

取材・文●渡辺隆康(スマッシュ編集部)

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