レッスン

【テニスストリング基礎知識】ナイロンからポリストリングに変更したら1か月で手首が痛くなってきた中学生の悩み<SMASH>

スマッシュ編集部

2023.04.06

ポリエステル製ストリングに変更した中学生から「手首が痛くなった」という相談を受けたが果たしてどうすればいいのか…(写真はイメージ)。(C)Getty Images

 テニスボールはラケットを使って打ちます。けれどもボールと直接触れるのは、ラケットに張られている「ストリング(糸)」です。そのためストリングの知識を深めることは、テニスの出来を左右するとても大切なことなのです。

 知っているようで、あまり知られていないストリングのこと。そこでストリングやラケットに関する素朴な疑問をプロのストリンガー(ストリングを張る人)にぶつけてみました。

 今回のテーマは中学生プレーヤーからの相談。ナイロン製ストリングからポリエステル製のストリングに変えたら、1か月くらいで手首が痛くなったという。「果たしてこのままポリエステルを使い続けるべきか、あるいはナイロンに戻すべきか…」。ストリンガーに訊いてみました。

◆    ◆    ◆

 結論からいうとナイロンストリングに戻すべきです。ポリエステルはナイロンに比べて硬い素材で作られているので手首やヒジに負担がかかります。特に中学生の時期は成長期で関節が柔らかいので注意が必要です。

 ストリングが頻繁に切れることがない以上は、ナイロンを使い続けたほうが良いでしょう。手首が痛くなってきたとのことなので、ナイロンの中でも柔らかい打球感のマルチフィラメントを選んで、テンションを42ポンドで張ってみてください。
 
 ただ、このような場合でも、いきなりポリエステルには変えず、まずはメイン(縦糸)をポリエステル、クロス(横糸)をナイロンにするハイブリットに移行するのをお勧めします。

 身体の成長に合わせてストリングを変えるのは難しいです。ケガをしやすい時期でもあるので専門家に相談して、快適なプレーを目指してください。

解説:大井孝亮(テニスサポートセンター)
取材協力●テニスサポートセンター

構成●スマッシュ編集部
※2022年9月号より抜粋・再編集

【PHOTO】ストリング面がたわむ! 3/1000秒の瞬間を捉えたスーパーインパクト集!!