今週行なわれている男子テニスツアーのマスターズ1000大会「ロレックス・モンテカルロ・マスターズ」(4月9日~16日/モナコ・モンテカルロ/クレーコート)は、現地4月10日にシングルス1回戦が行なわれ、センターコート第3試合に元世界ランク1位のアンディー・マリー(イギリス/現54位)が登場。第14シードのアレックス・デミノー(オーストラリア/同19位)に1-6、3-6のストレートで敗れ、2回戦進出を逃した。
新シーズンに入ってからは、幾多のフルセットマッチを制す抜群の勝負強さを見せているマリー。だが3月の「BNPパリバ・オープン」では3回戦敗退、その翌週の「マイアミ・オープン」では初戦敗退に終わり、米国マスターズ2大会では結果を残すことができなかった。
そんななかで臨んだこの日のデミノー戦でも、序盤から本来のプレーを披露できずに苦戦。試合を通してセカンドサービスにおけるポイント獲得率はわずか38%にとどまり、9本のウイナーに対して26本のアンフォーストエラーを叩くなど終始精彩を欠いた。第1、第2セットで合計4度のブレークを喫し、1時間26分で完敗を喫した。
最後まで良いプレーができなかったことにマリーは落胆の色を隠せなかった。試合後に応じたスコットランド紙『The Herald』のインタビューでは開口一番「ひどかったね」とコメント。さらには「今までのキャリアの中でも最悪の試合だった」とまで悔恨の念を口にし、こう続けた。
「何も良いところがなかった。なぜこんなことになったのか、正確にはわからない。マイアミでは、明らかに素晴らしいプレーができなかったが、今回はそれよりもひどいものだった。サービスもリターンも、フォアハンドもバックハンドも、ショットの選択も、何もかもがうまくいかなかった」
臀部のケガから見事な完全復活を遂げたマリーだが、近年は身体に大きな負担がかかるクレーシーズンで大会出場を見送るケースが増えている。22年シーズンも参戦したのは昨年5月の「マドリード・オープン」(ATP1000)の1大会だけだった。
ところが、今年2月には一転して「調子が良ければクレーシーズンもプレーをする予定だ」と発言。2016年に準優勝を経験したテニス四大大会「全仏オープン」(フランス・パリ)についても「引退する前に出場する機会を持ちたいね」と闘志を燃やしていた。
だからこそ35歳の元世界王者は、赤土のコートで再び活躍を遂げるための懸命なトレーニングを積み、「身体の調子も良かった」という。それにもかかわらずデミノー戦で全くいいところを見せられなかったことにショックを隠し切れなかったようだ。テニス系海外メディア『UBITENNIS』によると、マリーは今後数週間にわたるクレーシーズンのスケジュール見直しを示唆しているという。
そしてインタビューの最後には「かなり落ち込んでしまったし、コート上であんな思いをしたのは、これまでのキャリアで何度もなかった。本当にタフだったよ」と改めて無念の言葉を残した。
望み通りの結果が出せなかった自分を責めてしまっている様子が感じ取れる。全仏開幕まではまだ1か月以上残されているだけに、何とか気持ちを切り替えてもらいたいものだ。
文●中村光佑
【PHOTO】全豪オープン2023で熱戦を繰り広げるマリーたち男子選手の厳選写真!
新シーズンに入ってからは、幾多のフルセットマッチを制す抜群の勝負強さを見せているマリー。だが3月の「BNPパリバ・オープン」では3回戦敗退、その翌週の「マイアミ・オープン」では初戦敗退に終わり、米国マスターズ2大会では結果を残すことができなかった。
そんななかで臨んだこの日のデミノー戦でも、序盤から本来のプレーを披露できずに苦戦。試合を通してセカンドサービスにおけるポイント獲得率はわずか38%にとどまり、9本のウイナーに対して26本のアンフォーストエラーを叩くなど終始精彩を欠いた。第1、第2セットで合計4度のブレークを喫し、1時間26分で完敗を喫した。
最後まで良いプレーができなかったことにマリーは落胆の色を隠せなかった。試合後に応じたスコットランド紙『The Herald』のインタビューでは開口一番「ひどかったね」とコメント。さらには「今までのキャリアの中でも最悪の試合だった」とまで悔恨の念を口にし、こう続けた。
「何も良いところがなかった。なぜこんなことになったのか、正確にはわからない。マイアミでは、明らかに素晴らしいプレーができなかったが、今回はそれよりもひどいものだった。サービスもリターンも、フォアハンドもバックハンドも、ショットの選択も、何もかもがうまくいかなかった」
臀部のケガから見事な完全復活を遂げたマリーだが、近年は身体に大きな負担がかかるクレーシーズンで大会出場を見送るケースが増えている。22年シーズンも参戦したのは昨年5月の「マドリード・オープン」(ATP1000)の1大会だけだった。
ところが、今年2月には一転して「調子が良ければクレーシーズンもプレーをする予定だ」と発言。2016年に準優勝を経験したテニス四大大会「全仏オープン」(フランス・パリ)についても「引退する前に出場する機会を持ちたいね」と闘志を燃やしていた。
だからこそ35歳の元世界王者は、赤土のコートで再び活躍を遂げるための懸命なトレーニングを積み、「身体の調子も良かった」という。それにもかかわらずデミノー戦で全くいいところを見せられなかったことにショックを隠し切れなかったようだ。テニス系海外メディア『UBITENNIS』によると、マリーは今後数週間にわたるクレーシーズンのスケジュール見直しを示唆しているという。
そしてインタビューの最後には「かなり落ち込んでしまったし、コート上であんな思いをしたのは、これまでのキャリアで何度もなかった。本当にタフだったよ」と改めて無念の言葉を残した。
望み通りの結果が出せなかった自分を責めてしまっている様子が感じ取れる。全仏開幕まではまだ1か月以上残されているだけに、何とか気持ちを切り替えてもらいたいものだ。
文●中村光佑
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