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低く滑るように改良した田沼諒太のバックハンドスライス。鍵は体重移動とフォロースルー【プロが明かすテニス上達法】<SMASH>

スマッシュ編集部

2023.04.15

左足から右足へ体重移動し(2~4コマ目)、ボールを切らずにフォロースルーを長く取る(6~7コマ目)。田沼選手がバックハンドスライスを滑らせるために意識しているポイントだ。写真:THE DIGEST写真部

 プロテニス選手は、高度なショットをいとも簡単に叩き込む。なぜあんなボールが打てるのか? その秘訣をプロ本人に明かしてもらうシリーズ。今回は日本ランキング20位の田沼諒太選手が登場。バックハンドスライスを低く滑らせる方法を教えてくれた。

  *  *  *

 バックハンドスライスは、もっと使っていきたいと思っているショットです。僕は両手打ちバックが安定しているほうなので、それでしっかり打っていく選択が多くなります。でも、ペースを変えたり、バックのクロスラリーからストレートに流したりといった選択も必要なので、バックのスライスを攻めの起点になるように使っていきたいですね。

 ただ、もともとスライスはあまりうまくなかったので、プロになってから改良しました。弾んだ後により低く滑っていくようにしたんです。

 意識したことは2つあります。まず、単にボールを切るのではなく、フォロースルーを長く取るようにしたこと(写真6~7コマ目)。もう1つは、ボールに入る時にしっかり左足に体重を乗せることです(2コマ目)。

 この2つを実行したら、回転量が増えて滑るようになったし、フォロースルーを調整することで滑る、逃げる、止まるなど、色んなスライスが使えるようになりました。
 
 フォロースルーで注意したいのは、長く取っても、身体を開かないことです。

 基本的にスライスは準備を早くすることが大事で、まず肩をしっかり深く入れて構えます(3コマ目)。そこから体重移動し(4コマ目)、前にフォロースルーを取っていきますが、勢いで身体が開きすぎてはダメ。7コマ目を見ると、腕は振っても身体は回っていません。

【プロフィール】田沼諒太/たぬまりょうた
1995年9月22日、東京都生まれ。179cm、66kg、右利き。ジュニア時代は全国タイトルや四大大会Jr出場とは縁がなかったが、相生学院高を卒業後プロ転向し、世界を回って力を付けた選手。2018、19年にITFツアーで2勝を挙げ、全日本選手権ベスト8。イカイ所属。

構成●スマッシュ編集部
※『スマッシュ』2022年2月号より再編集

【連続写真】低く滑るように改良した田沼諒太のバックハンドスライス『30コマの超分解写真』
 

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