海外テニス

ナダルがマドリード大会も欠場。ケガが回復せず「少し方針を変えて別の治療を行なう決断をした」<SMASH>

中村光佑

2023.04.21

母国のマスターズ、マドリードも欠場を表明したナダル。当初の予定よりケガの回復に時間がかかっている。(C)Getty Images

 現地4月20日、男子テニス元世界ランク1位のラファエル・ナダル(スペイン/現14位)が自身の公式SNSを更新。来週自国で開催されるマスターズ1000大会「マドリード・オープン」(4月26日~5月7日/スペイン・マドリード/クレーコート)の欠場を正式に表明した。

 1月の四大大会「全豪オープン」2回戦で左股関節を負傷して以降、ツアーでプレーしていない36歳のナダル。得意のクレーシーズンが始まってからも先週の「ロレックス・モンテカルロ・マスターズ」(ATP1000)を欠場し、現在開催中の「バルセロナ・オープン」(ATP500)も大会開幕直前に出場辞退を申し入れた。

 苦境に立たされるなかで、懸命なリハビリに励んできたナダルは、3月中旬ごろからクレーシーズン開幕に備えて練習を積んできた。5月28日に開幕する「全仏オープン」(フランス・パリ/クレーコート/グランドスラム)における15度目の優勝に向けて実戦感覚を取り戻すべく、何としても母国ファンの前でプレーする姿を見せたかったはずだ。

 だが、36歳という年齢も影響しているのか、思いのほか回復が遅れているようだ。今回更新したSNSで「この数週間、数か月は大変でした。皆さんもご存知のように、僕はオーストラリアで左股関節を痛めました」と切り出したナダルは、以下のように現況を報告した。

「当初は回復まで『6週間から8週間』と公表していましたが、もう14週目に突入しました。医学的な指示は守ってきましたが、現実は期待していたような展開にはなっておらず、苦しい状況に陥っています」
 
「ケガがまだ治っていないので、プレーするために必要な準備ができないのです。トレーニングはしていましたが、数日前に少し方針を変えて、別の治療を行ない、状況が改善するかどうかを見て、次のステップに進むことを決断しました。復帰時期についてはまだわからないので、皆さんに今後のスケジュールをお伝えすることはできません。これが現在の状況です」

 その後ナダルは「モンテカルロ、バルセロナ、マドリード、ローマ、ローランギャロス(全仏)など、私のキャリアで最も重要なトーナメントでプレーできると思っていましたが、そのうちのモンテカルロとバルセロナは欠場となりました」と記し、「マドリードも残念ながら欠場する運びとなりました」と発表した。

 投稿の最後にはいつも温かい声援を送ってくれている母国のファンへ心からの謝意を示すとともに、1日も早いツアー復帰へ向けた前向きな言葉を綴った。

「マドリードとスペインのファンの皆さんに特別な挨拶をしたいと思います。とにかく今は正しい姿勢でいることを心掛け、クレーシーズンで残された幾つかの大会に出場できるよう努力し、そして正しいメンタリティを保ちながらトレーニングしていくしかありません。また会いましょう。新たなニュースがあったらすぐにお知らせします。ありがとう!」

 赤土のコートでナダルのプレーが見られない状況が続いていることは非常に寂しい限りである。マドリード閉幕後のローマ、そして全仏には無事出場できることを願いたい。

文●中村光佑

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【画像&動画】マドリード大会の欠場を報告したナダルのツイッター