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ケガで欠場続きのナダルに元世界女王モーレスモ氏が「状況が良くなることを祈っている」とエール<SMASH>

中村光佑

2023.04.25

全仏OPの大会ディレクターを務める元世界女王のモーレスモ氏(左)がナダル(右)へ向けて切実な願いを語った。(C)Getty Images

 来月28日に開幕するテニス四大大会「全仏オープン」(フランス・パリ/クレーコート)のトーナメントディレクターを務める元世界女王のアメリー・モーレスモ氏(フランス/43歳)が、イギリスの公共放送『BBC』のインタビューに登場。度重なるケガでかつてない苦境に立たされている男子元世界ランク1位のラファエル・ナダル(スペイン/現14位)に向けて熱いエールを送った。

 今年1月の四大大会「全豪オープン」の2回戦で左股関節を負傷して以降、ツアー大会ではプレーしていない36歳のナダル。3月下旬に更新された世界ランキングでは、約18年にわたって守り続けてきたトップ10からも陥落した。

 得意のクレーシーズンに入ってからもエントリーしていた今月初旬の「ロレックス・モンテカルロ・マスターズ」(ATP1000)と先週の「バルセロナ・オープン」(ATP500)を欠場。今週母国で行なわれる「マドリード・オープン」(4月26日~5月7日/スペイン・マドリード/ATP1000)についてもすでに出場辞退を表明している。

 そのナダルは現地4月20日に更新した自身の公式SNSでマドリード・オープンの欠場を発表した際に、「復帰時期についてはまだわからない」と現況を報告していた。そのためマドリード閉幕後の「イタリア国際」(5月10日~21日/イタリア・ローマ/クレーコート/ATP1000)はおろか、過去14度もの優勝を誇る全仏の舞台でプレーできるのかも微妙な状況となっている。
 
 モーレスモ氏もナダルが100パーセントの状態に戻せるのかを懸念している。今回のインタビューでは初めに受難続きのレジェンドへ向けて「もちろん、彼がここ(全仏)に来る時も体調が万全でない可能性はある」と心配のコメントを寄せた。

 それでも同氏は、これまでに数々の試練を乗り越えてきたナダルが、思い出の詰まったローランギャロスで完全復活を遂げることを願ってやまない。インタビューの最後に、ナダルの心情を代弁しつつ以下のように切実な願いを語った。

「彼が欠場したくない大会があるとすれば、それは全仏オープンだと思う。本戦開始まではまだ5週間もある。私は希望を抱いているし、これからも希望を持ち続ける。指をくわえて見ているわ。

 彼のいないローランギャロスを想像するのは難しい。このおよそ20年の大会の歴史の中で、彼の存在は非常に大きかったから、もしプレーできなかったら悲しい。それでも私はポジティブな人間だから、彼のために状況が良くなることを祈っている」

 36歳という年齢から身体の回復が徐々に遅くなってきているのは明らかだ。とにかく今はナダルが一日も早くカムバックできることを信じるしかないだろう。もはやホームグラウンドと言っても過言ではない全仏のクレーコートで力強いプレーをする姿が見られることを世界中のファンが待ち望んでいる。

文●中村光佑

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