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海外テニス

ドーピング違反で出場停止のハレップが現在の心境を語る「禁止物質を摂取したことはない」と無実を主張<SMASH>

中村光佑

2023.04.30

身の潔白を証明できるものをITFに提出したというハレップは、5月末に行なわれる独立委員会の聴聞会に出席する予定だ。(C)Getty Images

身の潔白を証明できるものをITFに提出したというハレップは、5月末に行なわれる独立委員会の聴聞会に出席する予定だ。(C)Getty Images

 昨年10月にドーピング違反が判明し、暫定的なツアー出場停止処分を課されている女子テニス元世界ランク1位のシモナ・ハレップ(ルーマニア/現26位)が、米テニス専門メディア『Tennis Majors』の独占インタビューに登場。現在の心境を語るとともに、改めて身の潔白を主張した。

 既報の通りハレップのドーピング違反は、去年8月の全米オープンで採取した検体を検査した際、2つのサンプルのうちの1つからWADA(世界アンチ・ドーピング機構)の禁止リストに記載されている「ロキサデュスタット」が検出されたことによるもの。ハレップの要求を受けてもう片方のサンプルも検査したところ、同様の所見が確認されたため、強制的な暫定出場停止処分が下されてしまった。

 その後は、徹底的に疑惑を晴らす構えを見せてきたハレップ。2023年シーズンに入ってからもツアー大会に1度も出場できていない31歳の元世界女王はドーピング違反が判明した当時の心境を簡潔にこう明かした。

「ショックでした。どう対処したらいいのかわかりませんでした。ロキサデュスタットが何なのかも知りませんでした。今まで聞いたこともなかったので、ネットで少し調べてみました。公に禁止されている物質であることは理解できました」

 その後ハレップは「本当につらい状況が続いているので、自分がどういう状態なのかもよくわからないんです。心に重くのしかかっています。このようなことに直面するとは思ってもみなかったので、ストレスは大きいです」と苦しい胸の内を吐露。続けて「禁止されているとわかっていながらそのような物質を摂取したことはない」と主張したハレップは、再び以下のようにドーピング違反が事実無根であることを強調した。
 
「私はスポーツが潔白であることを心から願っていますし、常にドーピングにも反対してきました。私はいつも、自分が飲むサプリメントのすべての成分をチェックして、すべてが認可されていることを確認するように注意してきました。その物質(ロキサデュスタット)をどこから摂取したのか、はじめはまったくわからなかったのです。そして、私が専門家に、どうしてこうなったのか、どこから来たのか、説明してもらおうと思ったのです。というのも、私はこの物質について聞いたことがなかったので、どうやって摂取するのか、さらにはどうして尿から検出されたのかもわかりませんでした」

 かつてない苦境に立たされているハレップだが、少しずつ明るい光が見え始めているとも語る。ドーピング違反が発覚して以降も調査を続けてきた結果、「サプリメントを販売する会社のミスにより禁止物質が混入してしまう“コンタミネーション”があったことがわかった」とコメント。「専門家がコンタミネーションの原因究明に努め、実際にサプリメントにごく少量の禁止物質が混入していることが判明しました」と説明した。

 ところがハレップが身の潔白を証明できるものをITF(国際テニス連盟)に提出したところ、「同連盟はそれを否定した」というのだ。次なる一手として「5月末に行なわれる独立委員会の聴聞会に出席することを検討している」としつつ、「ITF はその聴聞会を開くことも拒否する可能性があると言っていたので、非常に不安定な状況です」と現況を明かした。

 最後には「テニスが大好きで、またビッグタイトルを目指してプレーしたい」とツアー復帰への切実な願いを語ったハレップ。近いうちに再び公式戦のコートに立てる日はやってくるのか、今後の動向から目が離せない。

文●中村光佑

【PHOTO】ウインブルドン2022でハレップはじめ活躍している女子選手たちの厳選写真を公開!

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