男子テニスのマスターズ1000大会「マドリード・オープン」(4月26日~5月7日/スペイン・マドリード/クレーコート)は、現地5月7日にシングルス決勝を実施。第1シードで世界ランク2位のカルロス・アルカラス(スペイン)が、同65位のヤン-レナード・ストルフ(ドイツ)を6-4、3-6、6-3のフルセットで下し、大会2連覇を飾った。
自国開催となった2週間前の「バルセロナ・オープン」(ATP500)で、殊勲の大会連覇を果たしたアルカラス。現地5日に20歳の誕生日を迎えたばかりのニューヒーローは、前回王者として臨んだ今回のマドリードでも素晴らしいプレーで順調に勝ち上がってきた。
エミル・ルースブオリ(フィンランド/41位)との初戦(2回戦)こそフルセットマッチを強いられたものの、以降は全てストレート勝ち。準決勝でもボルナ・チョリッチ(クロアチア/20位)に6-4、6-3で快勝し、2年連続の決勝へ駒を進めていた。
そんなアルカラスが決勝で迎え撃つのは、ラッキールーザー(予選敗者が繰り上がる措置)で本選入りを果たし、怒涛の快進撃を続けてきた33歳のストルフ。準決勝では予選決勝で敗れていたアスラン・カラチェフ(ロシア/121位)に見事4-6、6-3、6-4の逆転でリベンジを果たし、ラッキールーザーが四大大会に次ぐマスターズの決勝に進出するという史上初の快挙を成し遂げていた。
この日の決勝は、試合開始直後の第1ゲームでアルカラスがストルフの2本のダブルフォールトを生かす形でいきなりブレークに成功。だがその後は、ストルフの強烈なリターンや粘り強いプレーに苦戦を強いられ、第4ゲームでブレークバックを許してしまう。それでも迎えた第7ゲームでは、アルカラスが得意のフォアハンドの逆クロスやリターンエースでポイントを重ねて2度目のブレークを奪い、何とかリードを守り切って1セットアップとする。
第2セットに入ると相手の強烈なリターンで思うようにプレーをさせてもらえず、序盤の第2ゲームでブレークを献上。15分を超える長いゲームとなった第5ゲームで握った5本のブレークバックのチャンスはいずれも生かせず、そのままセットオールに持ち込まれる。
それでも勝負のファイナルセットでは、持ち前の力強いテニスを遺憾なく披露。第3ゲームから3ゲームを連取するなど終始主導権を握り、2時間25分で今季4勝目を手にした。
この結果でアルカラスは、四大大会最多タイの22勝を誇る同郷のレジェンド、ラファエル・ナダル(現14位)に次ぐ史上2人目のマドリード大会連覇を達成。また2005年-06年のモンテカルロとローマでそれぞれ2連覇を果たしたナダル以来、マスターズ1000大会でタイトル防衛に成功した最年少の男子選手となった。
試合後のオンコートインタビューでアルカラスは初めに決勝戦を振り返り、「本当にタフな試合だった」とコメント。続けて「ヤンのプレーは素晴らしく、本当にアグレッシブだった」とストルフの健闘を称えた。
そして最後には大会を通して温かい声援を送り続けてくれた地元ファンへの感謝の言葉を交えつつ、以下のように優勝の喜びを語った。
「このマドリードで、母国でトロフィーを掲げることができるのは僕にとって本当に特別なことだ。ここでプレーをして、良い結果を残し、母国の観客や家族、友人、身近な人たちの前でチャンピオンになるのはいつも特別なこと。決して忘れることのできない特別な感覚だ。初日から観客や僕の仲間たちが、僕の名前を呼んで応援してくれた。たくさんの人が自分を後押ししてくれるのは本当に素晴らしいことだ」
もはや誰がアルカラスの勢いを止めることができるのだろうか。休む間もなく参戦する今週の「イタリア国際」(5月10日~21日/イタリア・ローマ/クレーコート/ATP1000)での3大会連続優勝にも期待は高まるばかりだ。
文●中村光佑
【連続写真】動かされても力強く返球したアルカラスのフォアハンド「30コマの超連続写真」
自国開催となった2週間前の「バルセロナ・オープン」(ATP500)で、殊勲の大会連覇を果たしたアルカラス。現地5日に20歳の誕生日を迎えたばかりのニューヒーローは、前回王者として臨んだ今回のマドリードでも素晴らしいプレーで順調に勝ち上がってきた。
エミル・ルースブオリ(フィンランド/41位)との初戦(2回戦)こそフルセットマッチを強いられたものの、以降は全てストレート勝ち。準決勝でもボルナ・チョリッチ(クロアチア/20位)に6-4、6-3で快勝し、2年連続の決勝へ駒を進めていた。
そんなアルカラスが決勝で迎え撃つのは、ラッキールーザー(予選敗者が繰り上がる措置)で本選入りを果たし、怒涛の快進撃を続けてきた33歳のストルフ。準決勝では予選決勝で敗れていたアスラン・カラチェフ(ロシア/121位)に見事4-6、6-3、6-4の逆転でリベンジを果たし、ラッキールーザーが四大大会に次ぐマスターズの決勝に進出するという史上初の快挙を成し遂げていた。
この日の決勝は、試合開始直後の第1ゲームでアルカラスがストルフの2本のダブルフォールトを生かす形でいきなりブレークに成功。だがその後は、ストルフの強烈なリターンや粘り強いプレーに苦戦を強いられ、第4ゲームでブレークバックを許してしまう。それでも迎えた第7ゲームでは、アルカラスが得意のフォアハンドの逆クロスやリターンエースでポイントを重ねて2度目のブレークを奪い、何とかリードを守り切って1セットアップとする。
第2セットに入ると相手の強烈なリターンで思うようにプレーをさせてもらえず、序盤の第2ゲームでブレークを献上。15分を超える長いゲームとなった第5ゲームで握った5本のブレークバックのチャンスはいずれも生かせず、そのままセットオールに持ち込まれる。
それでも勝負のファイナルセットでは、持ち前の力強いテニスを遺憾なく披露。第3ゲームから3ゲームを連取するなど終始主導権を握り、2時間25分で今季4勝目を手にした。
この結果でアルカラスは、四大大会最多タイの22勝を誇る同郷のレジェンド、ラファエル・ナダル(現14位)に次ぐ史上2人目のマドリード大会連覇を達成。また2005年-06年のモンテカルロとローマでそれぞれ2連覇を果たしたナダル以来、マスターズ1000大会でタイトル防衛に成功した最年少の男子選手となった。
試合後のオンコートインタビューでアルカラスは初めに決勝戦を振り返り、「本当にタフな試合だった」とコメント。続けて「ヤンのプレーは素晴らしく、本当にアグレッシブだった」とストルフの健闘を称えた。
そして最後には大会を通して温かい声援を送り続けてくれた地元ファンへの感謝の言葉を交えつつ、以下のように優勝の喜びを語った。
「このマドリードで、母国でトロフィーを掲げることができるのは僕にとって本当に特別なことだ。ここでプレーをして、良い結果を残し、母国の観客や家族、友人、身近な人たちの前でチャンピオンになるのはいつも特別なこと。決して忘れることのできない特別な感覚だ。初日から観客や僕の仲間たちが、僕の名前を呼んで応援してくれた。たくさんの人が自分を後押ししてくれるのは本当に素晴らしいことだ」
もはや誰がアルカラスの勢いを止めることができるのだろうか。休む間もなく参戦する今週の「イタリア国際」(5月10日~21日/イタリア・ローマ/クレーコート/ATP1000)での3大会連続優勝にも期待は高まるばかりだ。
文●中村光佑
【連続写真】動かされても力強く返球したアルカラスのフォアハンド「30コマの超連続写真」