2021年にふくらはぎを負傷し、同年7月の「アトランタ・オープン」(ATP250)2回戦で敗退して以降、長くツアーを離れている男子テニス元世界ランク3位のミロシュ・ラオニッチ(カナダ)。すでにランキングも消滅している32歳の実力者が、得意のグラス(芝)コートシーズンからツアー復帰を目指している。
6月12日から開催される男子テニスツアー「リベマ・オープン」(オランダ・スヘルトーヘンボス/芝/ATP250)は公式サイトで出場選手リストを更新。その中にラオニッチの名前が記載されており、「2016年のウインブルドンのファイナリストが、ATPツアーでのカムバックを計画している」として出場をアナウンスした。
同大会にラオニッチはプロテクトランキング(負傷離脱前のランキングで大会にエントリーできる救済措置)33位を行使してエントリーしており、このまま出場できれば約2年ぶりのカムバックを果たすこととなる。
196センチの長身から繰り出される強烈なサービスを武器に持ち、8つのツアータイトルを獲得しているラオニッチが、とりわけ実力を発揮してきたのが芝のサーフェスだ。当時24歳で出場した16年ウインブルドンでは怒涛の快進撃を見せて勝ち上がり、準決勝では“芝の王者”と称される元世界1位のロジャー・フェデラー(スイス)をフルセットの死闘の末に撃破。
決勝では元世界王者のアンディ・マリー(イギリス/現42位)にストレートで敗れたものの、最高峰のグランドスラム(四大大会)でカナダ人男子選手として初めてとなるシングルス決勝進出を達成した。こうした背景から芝シーズンでの復帰はラオニッチにとっても理にかなった選択と言えるだろう。
ラオニッチと言えばほぼ同世代で元世界4位の錦織圭(33歳)とも7度の対戦経験があり、日本でも非常に高い人気を誇るプレーヤーの1人である。対戦成績ではラオニッチが2勝5敗と負け越してはいるが、そのうちの5試合はフルセットまでもつれ込む接戦で、両者は良きライバルとして常に切磋琢磨してきた。
既報の通り錦織は今月末から6月中旬にかけてアメリカとプエルトリコで開催されるチャレンジャー大会(下部大会)での実戦復帰を予定している。ビッグ4(フェデラー、ナダル、ジョコビッチ、マリー)と互角に渡り合った「ヤングガンズ」を代表する2人が、ほぼ同時期に公式戦のコートに帰ってくることになりそうだ。錦織とラオニッチが共に完全復活を遂げ、再び男子ツアーを盛り上げてくれることを期待したい。
文●中村光佑
【PHOTO】ラオニッチが最後に出た四大大会「2021全豪オープン」での雄姿
6月12日から開催される男子テニスツアー「リベマ・オープン」(オランダ・スヘルトーヘンボス/芝/ATP250)は公式サイトで出場選手リストを更新。その中にラオニッチの名前が記載されており、「2016年のウインブルドンのファイナリストが、ATPツアーでのカムバックを計画している」として出場をアナウンスした。
同大会にラオニッチはプロテクトランキング(負傷離脱前のランキングで大会にエントリーできる救済措置)33位を行使してエントリーしており、このまま出場できれば約2年ぶりのカムバックを果たすこととなる。
196センチの長身から繰り出される強烈なサービスを武器に持ち、8つのツアータイトルを獲得しているラオニッチが、とりわけ実力を発揮してきたのが芝のサーフェスだ。当時24歳で出場した16年ウインブルドンでは怒涛の快進撃を見せて勝ち上がり、準決勝では“芝の王者”と称される元世界1位のロジャー・フェデラー(スイス)をフルセットの死闘の末に撃破。
決勝では元世界王者のアンディ・マリー(イギリス/現42位)にストレートで敗れたものの、最高峰のグランドスラム(四大大会)でカナダ人男子選手として初めてとなるシングルス決勝進出を達成した。こうした背景から芝シーズンでの復帰はラオニッチにとっても理にかなった選択と言えるだろう。
ラオニッチと言えばほぼ同世代で元世界4位の錦織圭(33歳)とも7度の対戦経験があり、日本でも非常に高い人気を誇るプレーヤーの1人である。対戦成績ではラオニッチが2勝5敗と負け越してはいるが、そのうちの5試合はフルセットまでもつれ込む接戦で、両者は良きライバルとして常に切磋琢磨してきた。
既報の通り錦織は今月末から6月中旬にかけてアメリカとプエルトリコで開催されるチャレンジャー大会(下部大会)での実戦復帰を予定している。ビッグ4(フェデラー、ナダル、ジョコビッチ、マリー)と互角に渡り合った「ヤングガンズ」を代表する2人が、ほぼ同時期に公式戦のコートに帰ってくることになりそうだ。錦織とラオニッチが共に完全復活を遂げ、再び男子ツアーを盛り上げてくれることを期待したい。
文●中村光佑
【PHOTO】ラオニッチが最後に出た四大大会「2021全豪オープン」での雄姿