現在開催中の男子テニスツアー「イタリア国際」(5月10日~21日/イタリア・ローマ/クレーコート/ATP1000)は現地5月17日にシングルス準々決勝を実施。ディフェンディングチャンピオンのノバク・ジョコビッチ(セルビア/世界ランク1位)が登場したが、20歳のホルガー・ルネ(デンマーク/同7位)に2-6、6-4、2-6のフルセットで敗れ、大会連覇を逃した。
欧州クレーシーズンに入ってからは右ヒジのケガで苦戦を強いられているジョコビッチ。2週間前のマドリード・オープン(ATP1000)を欠場したことで同箇所の状態が心配されていたが、予定通りイタリア国際には出場を果たした。
前回王者として今大会に臨んだジョコビッチは失セット数を1に抑えてベスト8へと勝ち上がり、昨年11月のパリ大会(ATP1000)決勝で敗れたルネとの再戦を迎えた。
リベンジに燃えていたジョコビッチだったが、この日も序盤からコート中央への配球を中心とした安定感抜群のストロークを披露する20歳を相手に攻めあぐね、第1、第5ゲームでブレークを許して第1セットを献上。第2セットは悪天候による約1時間の中断を挟みながらも、ジョコビッチが王者の意地を見せてセットオールに持ち込む。だが勝負のファイナルセットでは再び2度のブレークを奪われ、2時間19分の接戦の末に準々決勝敗退となった。
試合後の会見で敗戦の弁を述べた35歳のレジェンドは、終始素晴らしいプレーを見せた勝者のルネを以下のように素直に称賛した。
「(悪天候による)このようなコートコンディションでは、彼を打ち破るのはとても難しい。彼はとても動きが速いし、素晴らしい予測能力がある。とても才能があり、ダイナミックなプレーができるオールラウンドな選手だ」
「彼の方が優れていたよ。試合のほとんどの時間帯で、彼は僕から見てあまりにも良いプレーをしていた。第3セットは僕の出だしが悪く、そこから彼の方に流れが行ったように思う。彼は良い緊張感を保ち、勝利に値した」
そう語ったジョコビッチは新鋭のルネに連敗を喫したことや、ローマ閉幕後に更新される世界ランキングでルネと同じ20歳のカルロス・アルカラス(スペイン/2位)に1位の座を奪われることを踏まえ、「すでに新たな時代は来ている」とコメント。
「アルカラスは、次の月曜日(22日)に世界1位になる。明らかに彼は素晴らしいテニスをしている。新しい選手が出てくることは、このスポーツにとって良いことだと思う。それはごく普通のことだ」と続けた。
とはいえ、長きにわたって驚異的な強さでツアーを席巻してきただけに、ジョコビッチの言葉はどこか寂しさを感じさせる。「どんなサーフェスでも(経験豊富な)5セットで戦えるのがいい」と自信をのぞかせた今月末開幕の四大大会「全仏オープン」(5月28日~6月11日/フランス・パリ/クレーコート)に向けて、調子を取り戻してほしいところだ。
文●中村光佑
【連続写真】股関節の柔軟性がパワーを生む、ジョコビッチのバックハンド
欧州クレーシーズンに入ってからは右ヒジのケガで苦戦を強いられているジョコビッチ。2週間前のマドリード・オープン(ATP1000)を欠場したことで同箇所の状態が心配されていたが、予定通りイタリア国際には出場を果たした。
前回王者として今大会に臨んだジョコビッチは失セット数を1に抑えてベスト8へと勝ち上がり、昨年11月のパリ大会(ATP1000)決勝で敗れたルネとの再戦を迎えた。
リベンジに燃えていたジョコビッチだったが、この日も序盤からコート中央への配球を中心とした安定感抜群のストロークを披露する20歳を相手に攻めあぐね、第1、第5ゲームでブレークを許して第1セットを献上。第2セットは悪天候による約1時間の中断を挟みながらも、ジョコビッチが王者の意地を見せてセットオールに持ち込む。だが勝負のファイナルセットでは再び2度のブレークを奪われ、2時間19分の接戦の末に準々決勝敗退となった。
試合後の会見で敗戦の弁を述べた35歳のレジェンドは、終始素晴らしいプレーを見せた勝者のルネを以下のように素直に称賛した。
「(悪天候による)このようなコートコンディションでは、彼を打ち破るのはとても難しい。彼はとても動きが速いし、素晴らしい予測能力がある。とても才能があり、ダイナミックなプレーができるオールラウンドな選手だ」
「彼の方が優れていたよ。試合のほとんどの時間帯で、彼は僕から見てあまりにも良いプレーをしていた。第3セットは僕の出だしが悪く、そこから彼の方に流れが行ったように思う。彼は良い緊張感を保ち、勝利に値した」
そう語ったジョコビッチは新鋭のルネに連敗を喫したことや、ローマ閉幕後に更新される世界ランキングでルネと同じ20歳のカルロス・アルカラス(スペイン/2位)に1位の座を奪われることを踏まえ、「すでに新たな時代は来ている」とコメント。
「アルカラスは、次の月曜日(22日)に世界1位になる。明らかに彼は素晴らしいテニスをしている。新しい選手が出てくることは、このスポーツにとって良いことだと思う。それはごく普通のことだ」と続けた。
とはいえ、長きにわたって驚異的な強さでツアーを席巻してきただけに、ジョコビッチの言葉はどこか寂しさを感じさせる。「どんなサーフェスでも(経験豊富な)5セットで戦えるのがいい」と自信をのぞかせた今月末開幕の四大大会「全仏オープン」(5月28日~6月11日/フランス・パリ/クレーコート)に向けて、調子を取り戻してほしいところだ。
文●中村光佑
【連続写真】股関節の柔軟性がパワーを生む、ジョコビッチのバックハンド